暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第128話:2人のパフォーマー
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られ、その場で変身が解ける颯人とソラ。痛む体に鞭打って立ち上がった2人の体はボロボロで、どれだけ激しい戦いをしたのかが伺える。

「はぁ、はぁ……くそ」

 もう颯人に変身するだけの魔力は残っていない。それはソラの方も同様で、今の一撃にかなりの魔力を使ってしまいもう立っているだけでやっとと言った様子であった。

 そんな状態でも、ソラは笑う事を止めなかった。

「ぜぃ、ぜぃ……フフフフフッ、今日はここ迄みたいだね」

 そう言ってソラが視線を向けた先には、こちらに向けて走って来る1台の車が見えた。恐らくこの騒ぎを聞きつけ、S.O.N.G.が駆け付けたのだろう。
 この状況では戦えないからと、ソラは大人しく引き下がる事を選択した。

「それじゃあ、今日は楽しかったよ。また今度遊ぼうね!」
〈テレポート、ナーウ〉

 一方的にそう告げると、ソラは颯人の前から一瞬で姿を消した。まだ転移するだけの魔力は温存していた強かさに、颯人は小さく舌打ちをした。

「颯人!?」

 そんな颯人の耳に、最愛の奏の声が響いた。車から降りて駆け寄ってきた奏は、傷だらけの颯人の様子に心配そうな目を向ける。

「颯人、大丈夫か!? 旦那から颯人がジェネシスの魔法使いと戦ってるって聞いて、それで――――」

 取り合えず颯人が無事な様子に安堵する奏。両肩に手を置き安堵の溜め息を吐いてくれる奏の姿に、颯人は居ても経ってもいられず彼女を抱きしめた。

「わぷっ!? ちょ、颯人?」

 突然抱きしめられ奏が困惑するが、颯人は構わず彼女を強く抱きしめた。その姿からは絶対に離さないという強い意志を感じる。

 奏はそれだけで、颯人に何があったのかを大体察し何も言わず彼の背中に手を回した。

「奏……お前は絶対、俺が守るからな」
「うん……信じてるよ。颯人」

 奏からの返答に、颯人は漸く肩から力を抜いた。

 そしてその状態で彼が顔を上げると、遠く離れた所でソラがこちらを見ている事に気付いた。目を細め、思わず先程よりも強く奏を抱きしめる。

 その様子を見て、ソラは今度こそ姿を消した。しかし颯人はそのまま暫く、まるでソラが再び来ることを警戒するかのように奏を抱きしめ続けるのだった。
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