私だけ?
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イリスとの戦いは続く。
それぞれ最強の力を発揮している。可奈美の祭祀礼装は、かつて見滝原を聖杯戦争の地に選ばせた要因であるヤマタノオロチを倒した実績を持ち、響の絶唱に関しては古代大陸、ムーにおいて逆転の一手を担った。友奈の絶唱も、見滝原を恐怖に陥れたアマゾン事件の時に活躍したりと、どれ一つとっても決して少ない戦力ではない。
さらに今回は、キャスターの遠距離からの攻撃も止まっていない。
可奈美が知る限り、たった一人の参加者相手に、ここまでの過剰戦力になったことはない。
それでも、イリスは倒れない。
あらゆる攻撃をうけても、即座にその体を再生させる。そして、決して軽視できない攻撃で反撃してくる。
「これじゃあキリがない……!」
可奈美は肩で息をしながら呟く。
たった今、イリスの触手を切り捨てた直後から再生されていたところだった。もう何度心が折れかけたことか、響と友奈も最初ほどの動きの機敏さは無くなっており、その表情には疲労が露わになってきている。
だが一方、文字通り化け物じみた体力を持つイリスには、疲労の文字が見えない。変わらぬ動きで、プラズマ火球を精製していく。
『ストライクベント』
その時、その電子音声に、三人___特に友奈___が顔を明るめた。
「だりゃあああああああああっ!」
どこからともなく飛んでくる火炎。それは、プラズマ火球を発射しようとする触手の先端に命中、その照射口を大きく歪め、プラズマ火球は可奈美たちのはるか頭上の壁を砕いた。
「皆! 大丈夫か!?」
その声とともに、可奈美たちの前に降り立つ赤い龍の影。
ライダーのサーヴァント、龍騎。その右腕に龍の頭を装備しながら着地した彼は、巨大なイリスを見上げながら呟く。
「な、なんか、全然見た目変わってるけど……多分昨日のアレだよな?」
「うん……色んなところも似てるし、ムーンキャンサーだと思うけど……」
友奈が満開の武装を支えに立ち上りながら、龍騎に並ぶ。
「さっきもその名前言ってたけど、それ、ハルトさんがこの前言っていたような……?」
「ムーンキャンサーって、アレがッ!? アンチ君は、何であんなのを探していたのッ!? そもそも、見滝原南じゃなくて、なんでここにッ!?」
「響ちゃんも知ってるの? そのムーンキャンサーって……え? もしかして、知らないの私だけ!?」
だが、イリスはそれ以上の会話を許さない。
遅いかかる、巨体のイリス。
可奈美は龍騎と並び、可奈美はその体の写シを真紅に染めていく。
「太阿之剣!」
「だああああああああああっ!」
斬撃と火炎弾。二つのそれは混ざり合い、より大きな赤となってイリスに命中。その高熱で、イリスの体の至る所が燃え上がってい
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