稲妻
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
父さん!いい加減に「分かりました…私が開けます!」
リュカの根拠薄弱な自信に文句を言うティミーの言葉を遮り、アルルが自ら名乗りを上げた!
「え!?き、危険だよアルル!匂いがするとか、そう言うレベルなんだよ!」
「大丈夫よティミー…リュカさんが開けろと言うからには、危険では無いのよ。そして中身も凄い物なのよ…きっと」
アルルの決意を聞き、彼女を抱き寄せ必死に説得を試みるティミー。
だがアルルは両手で優しくティミーの顔に触れ、危険がないと説明する。
「うん。パパを信じるいい義娘だ!」
リュカの軽い口調の一言に、ギロリと睨むティミー…
「だったら…僕が開けるよ!アルルを危険に晒すわけにはいかないよ!」
「そ、そんな…ダメよ!この世界を救うのは私の役目…その為に成すべき事は私がやるの!それが勇者アルルよ!」
「そんなの関係ない!僕には君を守る事が役目だ。その為にはやるべき事をやる!」
若い二人は抱き合い見つめ合う。
「…それじゃぁ、一緒に開けましょうティミー」
「…うん、そうだね。それだったら、モンスターが出てきても怖くない!」
最早、2人だけの世界に浸ってる。
「…何だかイライラする空気が漂ってきますわ!1発ぶん殴っちゃって下さいお父さん!」
「まぁまぁ…良いじゃないか、このくらい。宝箱1つでイチャイチャ出来るなんて、凄い事だよ!もっと見ていようよ」
リュカとマリーがニヤニヤしながら囃し立てる。
「う、うるさいわね!今、開けるわよ…私達の事は放っておいてよ!」
顔を真っ赤にしたアルルが宝箱へと歩いて行く…ティミーとしっかり手を繋ぎ。
ティミーとアルルは、モンスターの出現に身構えながら宝箱をゆっくり開ける。
すると中には1振りの剣が入っていた。
その剣を取り出し、構えるアルル…
「まぁ!?その剣は『稲妻の剣』ですわ!ダーマに居た時に、旅の人から教えて頂きましたわ!」
「へー…強そうな剣だねぇ………よし!それはアルルが使うんだ!そんで、アルルが使ってた『草薙の剣』はウルフが使え!」
アルルが持つ剣を見たマリーが、取って付けた様な説明をし、それを聞いたリュカが、強制的に装備者を決めてしまう。
「ちょっとリュカさん…俺は良いですけど、そんだけゴツイ剣なんですから、戦士のカンダタが装備した方が良くないですか?」
「うん。そうだねウルフ…その方が効率的に見えるよね!」
「じゃぁ…」
「でも、その剣は格好良すぎる!カンダタには似合わないよ…それに宝箱を開けたのはアルルだからね。アルルが装備するのが自然だ!」
ザ・リュカ理論!
一方的かつ理不尽!
「何て酷い理由…では、リュカさんの指示通りカンダタが宝箱を開けていたら!?」
「その時はカンダタが装備すれば良いんだよ…でも、カ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ