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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
金と銀
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候補生ならまだしも、こんな時期に転入してくるというのは普通の人ではないと容易に想像できます。事実鈴さんは国に無理やり入れてもらったそうです。他国の影響を受けないと言ってもそこは流石に無理なのでしょう。
 さて、そういうわけでここで思い浮かぶのはやはり代表候補生。もしくは何かしらの特別な存在なわけで……
 まあそうなったらまた一夏さんがらみって言う……ね。

 山田先生に促されて入ってきたのは……えーと……男性の制服を着た……へ?
 ピシリと両足を揃えて軽く一礼をしてから自己紹介を始めます。

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

「お、男の人……?」

 私の口から自然と言葉が出ていました。

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を……」

 礼儀正しい立ち振る舞い、中性的に整った顔立ち、髪は長い金髪でその髪を後ろで束ねています。瞳は綺麗なエメレルドで、体つきは女性と言われれば女性と見間違うほどの華奢さ、でもそれでいてしゅっと伸びた脚が非常に目立ちます。
 この人を見た人は誰でもこう思うでしょう。『貴公子』と…

「きゃ……」

「はい?」

 あ、まずい。私はそう思った瞬間に耳を塞いで次に来る事態に備えます。

「「「「「「きゃあああああああああああ―――っ!」」」」」」

 水面に石を投げ込んだように以下略。

「男子! 二人目の男子!」

「しかもうちのクラス!」

「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!」

「貴様は今まで惚れた男の数を覚えているのか?」

「幽体離脱〜」

「ちょ! 逝っちゃダメだってば!」

「はっ! 隅田川の向こうでお婆ちゃんが手を振っていたわ」

「あんたのお婆ちゃん生きてるでしょうが…」

 危うく誰か死にかけたようですが無事戻ってこれたみたいです。

「あー、騒ぐな。静かにしろ」

 いつも以上にヤレヤレといった感じで頭を抱える織斑先生。しかもその声がぼやきに近かったせいで教室の波が収まりません。

「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介が終わってませんから〜!」

 そう、もう一人。
 こちらも男性用の制服ですが明らかに女性です。腰まである長い銀髪、小柄な体ですけどそれ以前に最も特徴的な、異色の左目の黒い眼帯をしています。昔の軍人映画や漫画で出てくる軍人がしているような目を隠すための眼帯です。
 そしてそれさえも置いて、その人の存在感を出しているのが威圧感。その威圧感は知っています。本国で会ったことのある軍人さんのそれですね。

「…挨拶をしろ、ラウラ」

「はい、教官」

 教官? 今
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