暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth28神世は楽園・人世は地獄・その境界にて乙女は踊る〜Duell des SchicksalS〜
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体すべてがバラバラに斬り刻まれた。テウタはもう分身体による包囲攻撃系・捌式から拾伍式までは通用しないと判断。オリヴィエは動きを止めたテウタに向かってもう一度「降伏してください」と告げた。
しかしテウタは「何故勝てる戦に降伏しなければならないのですか?」と微笑んだ。オリヴィエは眉を寄せる。そして小さく「仕方ありませんね」と諦観めいた溜息を吐き、

――電光石火――

高速移動の魔導によってテウタへと最接近。その速さにテウタは一瞬オリヴィエの姿を見失ってしまった。それが最大の隙となり、オリヴィエはテウタが反応しきる前に彼女の胸倉を引っ掴み、

――鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)――

頭突きを食らわし、続けて腹と胸に1発ずつ拳打を打ち込んだ後に跳んで宙で前転、テウタの顔や胸を数度踏みつけ、彼女の背後に着地。背中から倒れそうになるテウタの背部をサマーソルトキックで蹴り上げ、1回転して逆立ち状態になった彼女の腹に、魔力付加された両の掌底を打ち込む。
テウタは激しく吐血しながら後方へと吹っ飛ばされ、床を何度もバウンドしながら転がって滑り・・・ようやく止まった。

「がふっ、がはっ、げぼっ、ごほごほっ、ふぐ、ぅごほ・・・!」

吐血、咳込みながらもテウタは立ち上ろうと両手を床につき、上半身を起こした。しかしダメージが大きすぎるようで、力が入らないのか腕は震え、すぐにまたドサッと床に倒れ伏した。オリヴィエはそんな無様を晒すテウタを辛そうに見、もう一度「降伏してください」と告げる。

「先ほどは言いそびれましたが、私は、私たち同盟はあなたを殺すつもりなど最初からありません。イリュリア戦争終結後、イリュリアの領土分配などの話し合いにも就いてもらわないといけないので。オーディン先生にも、あなたを生け捕ってほしいとお願いされていますし。あなたを生かす理由はこちらの一方的な目的となってしまいますが、それでもこの場で死ぬよりかはいいでしょう?」

「ぅぐ・・・悪魔、です・・ね、貴女・・も・・・魔神と、同じ・・・」

「自国を、ベルカを護るためです」

「ふ、ふふ、ははは・・・護る?・・げほっ、何を愚かな・・・。戦を、いたずらに・・長引か・・せるだけ、ごほっごほっ、ではないです、か・・」

「・・・・」

オリヴィエとてそれは百も承知だった。イリュリアが落ちた後も戦争は続く。ベルカを統一しようと考えている国々は多い。世界を統一できるのは一国のみ。その一国が決まるまで戦争は終わらない。しかし「それでもイリュリアには、統一させません」オリヴィエは言う。
一般市民が住まう都市を消し飛ばすという暴挙に出たイリュリアがベルカに強いるのは、暴力を翳した恐怖支配。それでは平和にはならない。だからこそイリュリアを討とうとする国は現れ、今こうして戦
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