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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第128話:子の目に映る父の姿
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の様な情けない人間に育って欲しいのか?」
「う、うぅ……」
「もし自分の様に育ってほしくないと思うのであれば……最早父と名乗る事はしない事だ」
男はそれだけ告げると、改めて前を向きレジで会計を済ませて店を出て行った。
それまでもそれから暫くの間も、洸は俯き肩を震わせていた。
店を出た男は、軽く周囲を見渡すと人知れず路地裏へと入っていく。そこで彼は懐から指輪を取り出すと、腰のハンドオーサーに翳した。
〈テレポート、ナーウ〉
魔法で一瞬で姿を消した男が、転移していった先はS.O.N.G.本部の一室。アルドの自室兼工房として扱われている部屋であった。
突然男が転移してきた事に、部屋に居たアルドは驚きもせずに対応した。
「お帰りなさい、”ウィズ”。少しは気晴らしになりましたか?」
アルドに話し掛けられた男……ウィズは、真っ直ぐ椅子に向かうと深く腰掛け背凭れに体重を預けた。
「どうかな。嫌なものも見てしまったし……」
「嫌なもの?」
ウィズの口から出た言葉にアルドが首を傾げると、ウィズは失言だったとでもいう様に唸り帽子を頭から顔に移動させて被せた。
そのまま室内を沈黙が支配する。
「…………アルドよ」
「はい?」
「私は……情けない男だな」
唐突に沈黙を突き破ってウィズが口にしたのは自虐の言葉だった。アルドはそれを肯定も否定もせず、傍に寄り添う様に彼の傍で膝を付け肩に手を置いた。
「貴方が情けない男なら、私は情けない女です」
ウィズはアルドの言葉に対して何も言わない。しかしアルドはその事に不満を見せる事無く、そっとブランケットを掛けてやった。
静かな室内に、気付けばウィズの寝息が響いていた。
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