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銀河日記
後始末と人事異動
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夫人マグダレーナ、シャフハウゼン子爵夫人ドロデーアの二人だけならまだしも、ベアトリクスまでが近づいても良いものだろうかと、アルブレヒトは少しだけ考え込んだ。そして、ある疑問が浮かび、ベアトリクスに尋ねてみることにした。

「失礼ながら、何処で伯爵夫人とお知り合いになられたのですか?」
「あれは、今から二カ月ほど前だったかしら、新無憂宮でパーティーがあったの。その時に、マグダレーナの紹介で出会ったのよ」
「・・左様でございますか。ベアトリクス様、相当、孤立していらっしゃいますのでしょうな。グリューネワルト伯爵夫人は」
「ええ、あの子には、アンネローゼには後見も何もないわ。それに、彼女を良く思わないのは、貴族の殿方だけではないの。社交界の貴族の夫人方も一緒よ。皇帝陛下の御寵愛を一身に受けているのだもの。あの子の立場は辛いでしょうけど、私も出来る限りは支えてあげるつもりだから、心配しないで」
「畏まりました。では、またお会いしましょう。ベアトリクス様」
「ええ、待っているわ」
そう言った後、二人の前の画面は、同時に黒く染まった。どちらから、先に切れたか、わからなかった。

その後の五日間、アルブレヒトの置かれた状況はまさしく激務だった。副官人事の引き継ぎに関する書類作成の傍らに、メルカッツは中将となって軍上層部から示される人事によっては一万隻単位の艦隊をも指揮できる地位である。だが、メルカッツの階級が向上した分、扱う書類の量も増えた。第四次イゼルローン要塞攻防戦で被った損害はすでに算出してあり、それに伴った麾下艦隊の艦艇補充要請など、仕事は山のように残っていた。

それから五日が過ぎ、アルブレヒトは異動となった。
「デューラー少佐、これまで御苦労だった。また何時か、何処かの戦場で会おう」
「はっ、小官こそこれまでお世話になりました。メルカッツ閣下も、お元気で」
アルブレヒトとメルカッツは、ビスマルクUの提督室で会話を交わすと、別れの敬礼を交わし、アルブレヒトは部屋を出て、ビスマルクUを退艦した。この艦は一カ月後、ゼークト少将の麾下艦隊の旗艦となる事が確定していた。メルカッツには新たに、戦艦クラーフアイゼンが旗艦として与えられることになった。

戦史管理研究第七分室は、閑職と言えば閑職であった。だが、アルブレヒト本人にとってはそうではなかった。それは、人の価値観が異なるという、数多い実例の一つであろう。

第七分室の仕事は二、三週間に一度回ってくる書類仕事。唯それだけ。しかも、分室の人員は分室長のアルブレヒトだけ。その間、彼は有り余った勤務時間のほとんどを、帝国軍軍事図書館にある文献やデータの目録を作ることに専念していた。

別にこれは軍務省の上層部からの命令があったからではなく、彼個人の行動である。手当として支給される、超
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