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魔法使い×あさき☆彡
第三十三章 惑星の意思
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しない」
「つまり、死んだ者たちへの思いがその程度だったということだ。仮想だからな」

 声を出さず、笑った。

「違う!」
「どっちでもいいよ」

 鼻で笑うシュヴァルツ。

「よくない! それと、取り消して。遊びの世界といったこと、取り消して!」

 アサキたちが生きていた世界。
 超次元量子コンピュータが作り出した、仮想世界だ。
 そこは現実と同じであり、いまなおたくさんの人間が、生物が、生きている。
 死に絶えたこの世界と違って、無数の、暖かさがある。
 笑顔がある。
 幸せがある。
 自分は、そこで十四年を生きてきた。
 楽しいことも、辛いことだって、経験した。

 だからこそ、アサキは本気で頭にきていた。
 それを遊びなどといわれて。

「だから、どうでもいいんだって。……だってお前は、ここでくたばる。消滅すんだからなあ!」

 シュヴァルツが地を蹴った。
 すり鉢状の地形を滑り降り、一瞬にして姿はアサキの眼前。
 両手の間に生じた光の球体を、両手を突き出し解き放つ。先ほどヴァイスが至垂の腕を切り落とした、あの光弾と同じ性質のエネルギーであろうか。

 いずれにせよ、アサキには通じなかったが。
 眼前から放たれたエネルギーを瞬時に見切って、手の甲で難なく弾き飛ばしたのである。

 でもそれは想定内か、シュヴァルツの顔色に一切変化はない。
 さんと地を蹴り跳躍し、アサキの頭上から振り上げた踵を落とした。

 と、ほとんど同時に地上からアインス、ツヴァイ、ドライの三人が、アサキへと猛然飛び込んでいた。
 連係か、勝手な判断かは分からないが、とにかく彼女たちは、アサキへと四人同時の攻撃を見せたのである。

 アサキは少しも慌てなかった。
 膝を屈めて身を沈め、まずはシュヴァルツの蹴りをかわした。
 膝を伸ばした勢いで、ドライへと肩で体当たり。ドライとツヴァイを鉢合わせさせると、その瞬間にドライの胸を蹴って、その勢いで、アインスの顔面へと跳び膝蹴りを叩き込んだのである。
 変身しておらず生身というのに、アサキの凄まじい身体能力による離れ技であった。

 着地したアサキは、回転しながら落ちてくる剣を掴み取りながら地を蹴った。シュヴァルツへと身を飛び込ませながら、剣を打ち下ろした。

 ここまでアサキの神憑り的な早業であったが、シュヴァルツも慌てることなく冷静に剣で受け止めていた。
 鍔迫り合いにはならなかった。黒い衣装の少女シュヴァルツが、さっと身を後ろに跳躍させたのである。距離を取りながら、手から作り出した二つの光球をアサキへと飛ばした。

 アサキには通用しなかった。
 一つは、剣で弾いた。
 もう一つは、左手で掴み取り手のひらの中で握り消滅させた。

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