六十四 遭遇
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らった鮫肌が美味そうに喰らう。
奪ったチャクラを対象にスタミナとして渡す仕組み。
その役目を担う鮫肌が騒いでいる様を見て、鬼鮫はひゅうっと口笛を吹いた。
「鮫肌が喜んでいる…どうやら貴女のチャクラの味が気に入ったようですねェ」
「そんなことより今はコイツの治療だ」
アマルのチャクラを喰らい、還元したチャクラが、サスケの負傷した身体の傷を癒す。
嬉しそうに身体を震わせる鮫肌に苦笑を零した鬼鮫は「それにしても、」と改めて八尾の巨体を見上げた。
「どうやら私が手を下す必要は無さそうですねェ…流石イタチさんの弟だ」
「…………」
鬼鮫の言葉の内にあった名にピクリ、と反応したサスケが、薄れゆく意識を無理やり引き戻す。
キラービーの攻撃による負傷に加え、ザクの死という衝撃、そして【天照】の瞳術を使った為に、体力も気力もチャクラもほとんど失ったサスケはいつ気を失っても仕方のない状況だったが、鬼鮫のたった一言に込められたその名で意識を取り戻す。
イタチという名前に反応し、瞳を抉じ開けたサスケは霞む視界の向こうで、鬼鮫と、黒炎に包まれる八尾を仰いだ。
「おまえが出した炎だ。おまえが消せ」
不意に、サスケの隣で声がした。
仮面を被った男が其処にいつの間にか立っている。
如何にも怪しい風体だが、その身に纏う黒地に赤い雲の衣から、鬼鮫と同じ『暁』の人間であることが窺えた。
仮面の男に催促され、サスケは痛む瞳を凝らす。
黒い炎を吸い込むかのように写輪眼が発動した。
すると、八尾を焼き尽くさんと燃え盛る黒炎の勢いが弱まり、やがて掻き消えてゆく。
後には、人の姿に戻ったキラービーが焦げて横たわっていた。
「ぐ…ッ」
血走った瞳に激しい痛みが奔る。
だが呻きながらも、炎を完全に消せたことを見て取って、サスケは息をついた。
「───よくやった」
炎が消えたのを確認した仮面の男が、サスケの肩に手を置く。
途端、ギュルリ、と空間が歪んだ。
サスケを治癒していた鮫肌がチャクラ還元の行き場を失い、ぺちぺち跳ねる。
「うちはサスケ!?」
サスケが仮面の男の眼に吸い込まれる瞬間を目の当たりにしたアマルが驚きの声をあげる。
驚愕の表情を浮かべるアマルに、仮面の男は焦点を合わせた。
「カブトに診せろ。それが一番手っ取り早い」
直後、アマル自身も仮面の男に吸い込まれてゆく。
サスケとアマルを瞳に吸い込んだ仮面の男は、自らも一瞬、吸い込まれたかと思うと、またこの場へ戻ってきた。
雨隠れの里へサスケ達を置いてから戻ってきたのだと悟った鬼鮫が、苦笑を零す。
「随分と甘いですねェ…」
「なに。【万華鏡写輪眼】を
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