第三章
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はらだしはその場に正座をした、何時の間にか座布団も用意している。そうして閉じた扇子も使ってだった。
短いが笑える落語のネタを披露した、それを聞いてだった。
香里奈も綾子も特に疲れていた香里奈がだった。
かなり笑ってだ、こう言った。
「疲れてるけれどかなりね」
「笑えたわね」
「うん、かなり笑えて」
そうしてというのだ。
「それでね」
「疲れが取れたわね」
「ええ」
そうなったとだ、香里奈は綾子に話した。
「そうなったわ」
「そうよね」
「それは何より、疲れていたり落ち込んだり弱っている時こそな」
まさにとだ、はらだしは香里奈に話した。
「笑うべきなのだ」
「よく言われてるけれど」
「しかし自分からそうすることは難しい」
はらだしはこうも言った。
「そうした時はな」
「もうそんな余裕ないから」
「だからわしがな」
「出て来てくれて」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「笑わさせてやる」
「そうしてくれるのね」
「笑えばいいんだ」
はらだしは香里奈に笑って答えた。
「苦しい時辛い時悲しい時はな」
「疲れている時も?」
「そうだ、疲れていても笑うとな」
そうすればというのだ。
「それだけで違うからな」
「疲れが取れるのね」
「心からな、ましてここは大阪だ」
「お笑いの街ね」
「そうした時があればな」
苦しい時や疲れている時がというのだ。
「笑うことだ、笑う門には福来たるとも言うだろ」
「ええ」
「だから笑うんだ、その笑いが来る様にな」
「あんたはしていくのね」
「それがわしの務めだからな、ではな」
「ええ、これでね」
「また縁があれば会おう」
はらだしは笑って言ってだった。
香里奈と綾子の前から姿を消した、その彼を見送ってからだ。
香里奈は微笑んでだ、綾子に話した。
「実際にね」
「ええ、疲れが消えたわね」
綾子も微笑んで応えた。
「笑った分ね」
「そうなったわね」
「よかったわ」
綾子はこの言葉を心から出した。
「笑えて」
「そうね、疲れた時こそね」
「笑うべきね」
「自分からそうすることは難しくても」
それでもというのだ。
「疲れた時だけじゃなくて」
「困った時とかね」
「そうした時こそ笑う」
「そうしていきたいわね」
「じゃあ笑って元気出たし」
「今日はこのまま帰って」
「それでシャワー浴びて寝て」
そうしてとだ、香里奈は話した。
「ぐっすり寝てね」
「教育実習のラストスパート頑張っていきましょう」
「そうしましょう、じゃあね」
「また明日ね」
二人で明るく話した、そうしてだった。
笑顔で別れそれぞれの家に帰って休んだ、そして朝ご飯を沢山食べてそのうえで実習を頑
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