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不可能男との約束
小さな意志
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ました。
不味いという思いが条件反射で体で原稿用紙を隠す動きをして、そして慌てて何とか回避しようと口を開く。

「だ、駄目です! こ、これ───実は作文じゃないんです!」

「ほう……新説ね。じゃあ、何なのそれ?」

「ええと、これはですね……」

何とかしなけばという思いが視線に宿り、周りを見回して打開策を入手した。

「こ、これはそう! 御広敷君からロリコンという邪念が漂っていたので、クラスメイトとして急いで禊がないとと思い、邪念を文字に変えたもんなんです! だから先生が聞くと呪われます!!」

「あっれーー!! 何故に飛び火が小生に来たんですか!? 大体小生はロリコンではありませんぞ! 小生はただ生命礼賛という、つまり幼い命、つまり幼女を信仰しているだけで決してロリコンでは……先生? 何故に拳に息を吹きかけているのでしょうか? そんな事をしても肌の艶は治りません───」

御広敷君は教室の後ろの壁を突破して吹っ飛んだ。
御広敷君は戦闘系じゃないからキツイかもしれませんねーと思っていると、ウルキアガ君が仕方なさそうに飛んで行った御広敷君を拾いに行き、机に戻した。
空いた穴はペルソナ君がいそいそと窓のカーテンを一つとってそれで応急処置をした。
閉める前に向こうの教室の人にお辞儀をするのが礼儀正しいなぁと浅間は見習わなきゃと思い、密かに焼却炉焼却炉と思い、教室を出て行こうと席を立とうとするが

「浅間。外に出ていくのは授業が終わってからね」

……ええ!? じゃあ、授業が終わるまでこのまま!? と戦慄する。
周りの皆が既に怪しいなこやつという目で見てきている。

この授業が終わったら、私の行動如何で人生が決まってしまいます……!

勝とう……! と本気で浅間は心に誓った。

「じゃ、鈴。貴女の読んでも大丈夫?」

「……は、い。だ、大丈夫です」

……本当に? とそう思うのはただのお節介なんでしょうか……?
そう思う事こそがお節介だろうと考え直して鈴の方に視線を向ける。

「……自分で読める?」

先生の言葉に鈴は首を横にふるふると振った。
無理もないと思う。鈴さんは聴覚などは優れいているが、その代わり視覚が閉じている。だから、書くことなどは出来るが、それを読み上げることはできない。

「あ、の……誰か、代わ、り、に、お願いしま、す」

「ん……浅間代わりに読んであげて」

「───はい」

先生に言われ、立ち上がり、鈴さんの方に歩く。
鈴さんも立ち上がり、こっちに件の原稿用紙を渡す。

「……いいんですか?」

自分が代わりに読んで。
本当ならば自分で伝えたいだろうと、悔しいだろうと知ったかかもしれないけど、きっとそう思っているだろうと思い、それ故に私
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