小さな意志
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ていた。
何かあったかなんて一目散だった。
だけど、何かあったかなんて聞けなかった。聞いたら傷つけるかもしれないし、嫌われるかもしれないという子供みたいな感情で聞けなかった。
そして年月が経ってしまったことで余計に聞き辛くなった。
聞きたいという思いはまだあるけど、踏み込む勇気がない。
駄目ですねと自嘲のような思いを胸に秘めるけどそれだけで終わってしまうのが自分の悪いとこだと思っている。
……トーリ君や喜美とかならばさり気なく雰囲気を作って聞けるんでしょうけど……。
いや待て。
あの二人だから目的ではないものを聞かせるような雰囲気を作っていらん事を聞くのではないか。
いやいやいや。
一応、付き合いはかなり長いのだ。シリアスな部分で異世界の旅立つようなことをする二人では……ない……は……ずなわけがないですね……。
駄目だこの人達。
「浅間ーー。ちゃんと書いてるーー? さっきから進んでいないようだけど?」
「あ、す、すみません……少し考え事をしてて……」
「んーー。まぁいいわよ今回は。でも、次からは気を付けてね。そしてさぼっている熱田はちょっと外に飛んで来い」
処刑予告をされて汗をかく。
そしてシュウ君は有無を言わさずに窓を突き破って外に飛ばされた。
おお……!? と本人の叫び声が聞こえたが、周りは窓が……と呟くだけで飛ばされた本人についての心配は一切なかった。
というか黒板消しで人を吹っ飛ばすなんて人間技じゃないです。
ハイディが壊れた窓の勘定をしているのを無視して今やっている作文の方に意識を向ける。シュウ君の方は大丈夫だろう。
何だかんだ言って彼も体育の授業は出席日数分は取っているのである。ここは三階だけど、それくらいならば彼は大丈夫だ。
現にもう戻ってこようとしているのか廊下から音が聞こえ、そして何事もなかったように扉を開けてきたので意識から外した。
それにしても
自分がして欲しいことって……何ですかこの致命的かつ根源的な命題は。
時々目の前の暴力教師はこっちがどういう役職を持っているのかどうかを無視して問うているのではないんじゃないでしょうかと思う時がありますけど、今回は特に顕著です。
いえいえ、今はどっちかというとホライゾンの話に付いてであって、自分はおまけみたいなものだという事は解ってますよ?
それでも巫女相手にこんな質問何て……いやいや、自分に対してにだけに注目するからいけないんです!
本当ならばトーリ君がホライゾンに告白してハッピーになるはずだった日になるはずだったんです。
だからそう、彼にはホライゾンとやるはずだった告白をしてほしい。
だからそう、まずは彼らしく胸を揉んで……って最初から振られるナンパ男みたいなストーリーが出来上がってますよ!? 駄目駄
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