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不可能男との約束
小さな意志
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予定時刻は本日午後六時。

三河君主 ホライゾン・アリアダストの自害が決定された。










雰囲気が暗いという事が嫌でもわかってしまいます……。

浅間は教室で自分の席に座りながらはぁと息を吐いた。
今日は予告通りならばホライゾンが自害される日。本当ならばトーリ君の告白で楽しい一日を、いつもの一日を迎えられるはずだった一日。
だけど、たった一日でそれらは全部木端微塵に破壊された。
またとか何時もと思っていたものがここまで簡単に壊されるものとは思ってもいなかった。何度も繰り返されているものだから大丈夫だと思っていた。
それこそ時の流れくらいしか壊せるものはないのではと馬鹿なことを思っていたくらいだ。
なのにと思い、浅間は窓際の席の方を見る。
そちらの方にはトーリが俯せで倒れている姿があった。
さっきから身じろぎ一つもしていない。俯せでいるから表情も読めない。そして誰もそれを起こそうとしない。
もしくは

……誰も見たくないからでしょうか……?

元気のないトーリ君など見たくもないと。
嫌、確かに元気がないトーリ君なんて逆に気持ち悪いだけですけど、逆に元気がありすぎるトーリ君も厄介というか、あれ? 実はトーリ君。元気があっても無くても厄介な存在じゃないんですか?
ここまで敵どころか味方? にすら思われるなんてやっぱりトーリ君ですね……。
あ、思考が逸れてしまいました。
危ない危ない。
ここで真面目思考をしないと周りの外道達と同じ考えをしているっていう事になってしまいますよね。じゃあ、ここは真面目路線に走らないと……!
そう思い、次に見るのはトーリ君の目の前の席に座っている少年、シュウ君。
そこにある姿はトーリ君とは正反対だ。
何せ、鼻歌を吹きながら、メスを鑢で削っているのだ。はっきり言えば、この十年で一番(・・)のハイテンションかもしれない。
ここが梅組じゃなきゃ不謹慎だと思われてもおかしくない態度。
相変わらず鼻歌は最悪だけど。というかそのメス、どこから持ってきたんですか?
とりあえず何故かハイテンションだ。昨日にあんなことがあって、そして今日もホライゾンが自害するかもしれないって日なのに……。

何を……考えているんでしょうか……?

彼とはおそらく梅組の中で一番付き合いが長いと自負している。
彼とは神社の付き合いで小さい頃から会っている。昔はこんなヤンキー少年ではなくて、本当にどこにでもいるような少年だったのだけど。
でも、急にといった感じで彼は熱田神社からこっちに来た。てっきり、出雲の方の教導院の方に行くと思っていたから来た時は本気で驚きましたけど……本当に驚いたのはそれの事ではなかった。

武蔵に来た彼には笑顔が無くなっ
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