第三章
[8]前話
「特撮のダークヒーローみたいな」
「そうなる人もいるのね」
「物凄く傷付いて」
失恋の痛手で、というのだ。
「周りにもからかわれて」
「それで心が歪んで」
「そうしてね」
「ダークヒーローみたいになるのね」
「もう心の闇が凄くて」
そうなってというのだ。
「怨みが凄くて復讐心もね」
「ああ、そうなったらね」
どうかとだ、美里は眉を顰めさせて話した。
「かなりね」
「まずいわね」
「もうまともな恋愛というか人生観もね」
「なくなるわね」
「そうなるわ」
こう桜に話した。
「まさに闇堕ちよ」
「そうなる人はね」
「実際にいるのね」
「知ってるから」
桜は言った。
「私ね」
「そんな人は現実にいるのね」
「ええ、それで今わかったわ」
桜はさらに話した。
「時としてないわっていう」
「少女漫画的展開もなのね」
「あるのよ」
美里に笑顔で告げた。
「私わかったわ、じゃあ」
「当たって砕けろで」
「それでいくわね」
「頑張ってね」
「勇気出していくわ」
笑顔で言ってだった。
桜は入学式が終わると早速彼を校舎裏に呼んで告白した、そしてそれが終わってから校門で待っていた美里に親指を立てて来た。
それでだ、こう彼女に言った。
「時には少女漫画の展開もね」
「あるのね」
「それがわかったわ」
「それは何よりよ」
そうした展開が実際にあったということ以上に友人の幸せに笑顔になった、そして今は二人で仲良く帰ったのだった。
少女漫画は現実じゃない 完
2022・9・27
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