第一章
[2]次話
お婆さんと狼
ハンターはシベリアで狩猟をしている自分達にいつもお茶とそれを飲む暖かい場所を提供してくれるソニア=イルスカヤ一人暮らしの白髪頭の老婆にだ。
真剣にだ、こう言った。
「婆さん一人暮らしで身寄りがないならな」
「それでなのね」
「ああ、番犬にこいつを飼わないか?」
「クゥ〜〜〜ン」
こう言って一匹の生まれたばかりの灰色の狼を出してきた、見れば雄であった。
「狼をな」
「犬の代わりになのね」
「元々犬は狼だしな」
狼を家畜にしたのが犬である。
「どうだい?家族にもなるし」
「その子と一緒に暮らすと」
「寂しくないし番犬にもなるし。どうだい?」
「それじゃあね」
老婆も頷いた、そうしてだった。
老婆は狼の赤子を引き取って家族それに番犬として一緒に暮らしだした、狼はヴォルチョフと名付けられてだった。
老婆は毎日彼を可愛がった、すると狼はすくすくと成長し。
大型犬と同じだけの大きさになった、大人しく賢い性格になっていた。
そのヴォルチョフを見てだ、村人達は老婆に話した。
「狼も怖くないからな」
「ああ、実はな」
「ちゃんと育てたら犬と変わらないんだよな」
「ちゃんと飼い主の言うこと聞いて懐いて」
「いざって時は勇敢で」
「頼りになるんだよな」
「そうよね、だからね」
老婆も狼のことはわかっていて言う、シベリアのど真ん中の村で暮らしていて狼の話もよく聞いてきたからだ。
「私もヴォルチョクとね」
「仲良くしてるな」
「そうして暮らしてるな」
「今こうして」
「家族もいないし」
このこともあってとだ、ヴォルチョクを見つつ話した。
「これからもね」
「ああ、仲良くだな」
「そうして暮らしていくよな」
「これからも」
「そうしていくわ」
笑顔で話してだった。
老婆は彼と幸せな日々を過ごしていった、だが。
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