第一章
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犬と鹿は友達同士
銀行員のディック=ジョンソンニューヨーク州郊外に住んでいる均整の取れた体格で青い目と金髪の面長で彫のある顔の彼は家の庭に出てだ、一緒にいるビジネスマンの友人に話した。
そこには林檎の木があり一匹の雄のゴールデンレッドリバーもいるが。
「ワンワン」
「フンフン」
何と鹿それも野生のものと思われる大きなそれもいてだった。
楽しく追いかけっこをしたりざじゃれ合っていた、友人はその光景を見てそのうえでジョンソンに言った。
「犬と鹿がか?」
「ああ、友達同士になってな」
ジョンソンは友人に話した。
「毎日こうしてなんだよ」
「一緒に遊んでるんだな」
「サンプソンとな」
ジョンソンは愛犬の名前も話した。
「林檎の木の番をさせていたら」
「鹿と仲良くなったか」
「僕も最初は驚いたさ、けれどな」
「それでもか」
「鹿は林檎の木には手出しをしないし」
その皮を食べたりしないので、というのだ。
「だからな」
「それでか」
「特にな」
これといってというのだ。
「別に邪魔することはないと思って」
「こうしてか」
「遊ばせてるんだよ」
こう友人に話した。
「これからもな」
「そうさせるんだな」
「ああ、そうしていくよ」
「ワンワン」
「クンクン」
二匹は今も楽しく遊んでいる、その光景を見てだった。
ジョンソンも友人も自然と温かい笑顔になった、この友人にはホリー=フォルコナーというプロレスラーの様な体格だが優しいグレーの目と白い髪の毛を持つ好人物がいる。フォルコナーの仕事は消防署員だ。
彼の家に行くとここでもだった。
犬と鹿が一緒だった、家の壁の上にお互い顔を出してだ。
親し気に顔を近付けていた、見れば犬は大型の痩せた垂れ耳の黒犬である。
「クゥ〜〜ン」
「フンフン」
「ここでも犬と鹿は仲良しか」
「ああ、ディックの犬の話は聞いてるよ」
フォルコナーは彼に笑って応えた。
「鹿と友達なんだよな」
「ああ、そうなんだよ」
「その話聞いて俺は思ったよ」
「自分のところと同じだってか」
「ああ、ヒューイとな」
愛犬の名前も笑顔で言うのだった、そして。
庭の門を開けるとだった、鹿が入って来て。
その後に二匹の子鹿が入って来てだ、そのうえで。
鹿達はヒューイと庭で楽しそうに遊び出した、ヒューイの尻尾はとても勢いよく左右にぱたぱたと振られている。
「ワンワン」
「フンフン」
「クンクン」
「フゥ〜〜ン」
その光景を見つつだ、フォルコナーは友人に笑顔で話した。
「母鹿はササフラスって名付けたよ」
「何だよ、名前つけたのか」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「子供は二匹共雄
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