鉄拳編 ウルトラアキレス&アラシマファイト
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……シャーロット博士の新兵器が完成したのか!」
「えぇ、その通りです。苦労しましたよ……通常のペースでは、実用可能なレベルまで進めるのに半年は必要でしたから」
荒島と琴乃が睨み合う中、弘原海の問い掛けに叶は深く頷いていた。荒島と叶はこの2ヶ月間、オーストラリア支部のシャーロット博士から送信された設計図を基に、彼女が考案した「新兵器」を開発していたのである。
本来ならばどれほど急いだ突貫工事でも、半年は掛かると言われていたのだが。この2人の天才は、たったの2ヶ月でその実用化に漕ぎ着けて見せたのだ。彼らの目の下に出来ている隈が、その苦労を物語っている。
「おぉ……! まさかアレがもう戦闘に使える段階に入っていたとは! さすがですね、叶先生!」
「おいコラ駒門隊員、ちょっとは俺も褒めろ! 体張って試験運用してたのは俺なんだぞッ!?」
「……とは言え、急造機には違いありません。フルパワーで稼働出来る時間は、およそ1分間が限界と言ったところでしょう」
荒島の叫びを完全に無視しつつ、琴乃は叶の働きを称賛する。だが、当の叶自身は突貫工事故の不安要素を実直に告げていた。
それでも弘原海は、リスクを承知の上でその「新兵器」の運用を視野に入れている。アキレスが消耗しつつある今は、それだけが頼りなのだ。
「そうか……だが、シャーロット博士の設計思想通りならば、嵐真の負担も少しは和らげることも出来るだろう。いつまでもウルトラアキレスにおんぶにだっこ……とは行かんからな」
「私も同じ思いですよ、弘原海隊長。私も荒島君も、そのためにアレの開発を進めて来たのですから」
嵐真と同年代の娘が居る叶にとっても、アキレスの戦闘力に依存しているこの状況に対しては深く思うところがあったのだ。
ウルトラ戦士の圧倒的な力に頼っているばかりでは、活路は開けない。それにリーゼロッテ達も、常にこの日本に駆け付けられるわけではない。
日本支部だけでも出来ることは、やり尽くさねばならない。荒島と叶はその一心で、シャーロットから託された新兵器を建造していたのだ。
そして――その新兵器の「出番」が訪れたのは、この会話から僅か数時間後のことであった。
◇
東京から遠く離れた山岳地帯に出現した、「髑髏怪獣」レッドキング。その巨大な体躯から繰り出される力任せの一撃は、ウルトラアキレスの巨体を容易く吹き飛ばしていた。
『ぐぁああッ!』
特殊な能力を一切持たず、純粋な膂力のみでウルトラ戦士をも圧倒する髑髏怪獣の剛力。その力に物を言わせたラリアットに吹き飛ばされ、アキレスは岩壁に背を打ち付けている。
胸部のプロテクターに備えられた長い六角形のカラータイマーは、すでに点滅し始めていた。だが、レッドキングは一
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