第三章
[8]前話
「そのこともわかったわね」
「そうよね」
「円加って正直よ」
「それで素直よ」
「絶対に嘘を言わないわ」
「何があってもね」
「けれどね」
そうした人間だがというのだ。
「とんでもないホラ吹きね」
「まさに息をする様にホラを吹く」
「大山さんが二百メートルの場外ホームラン打ったとかね」
「前はそう言ってたしね」
「お話が大きいのも」
「大き過ぎるのよ」
「実際よりもね」
そうなっていることも話すのだった。
「全く以てね」
「そこはちゃんとわかってね」
「お話聞かないとね」
嘘ではなくともホラがあるということはというのだ。
「そしてね」
「そのうえで一緒にいましょう」
「悪い娘じゃないし」
「そのことは間違いないしね」
「ホラは吹いても」
それでもというのだ。
「嘘を吐いていないならいいわ」
「嘘は駄目だけれどね」
「ホラはまだ笑えるから」
「だったらね」
「問題はあっても多少位よ」
「それ位よ」
こう話してだった。
円加と仲良くしていった、やがてもう彼女のホラを楽しむ様にさえなっていた。それは何故かというと。
「嘘じゃないことは確かで」
「悪意もないし」
「それで誰も困らないし」
「それならね」
いいと言うのだった、そうして皆彼女と友人であり続けた。
現代版ほら吹き男爵 完
2022・9・18
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