第10章 アルバレス帝国編
第53話 八門遁甲の陣
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様のその名…生涯覚えておこうっ!!」
バルファルクはその名を噛みしめるようにして言葉を発すると、大きく咆哮して見せる。対してエルフマンは、先ほどの態勢を維持したまま、圧倒的な魔力をその身に纏わせる。
「積っ!!!」
そう呟くと同時に、エルフマンの周りには赤き魔力が半球のような形を作り、その半球の中心からは、天を突かんばかりの赤き魔力が放出される。
その様相を斜め横から眺めるようにして、魔導士たちは目を大きく見開く。
「くっ…あの構え…さっきの技じゃない!!」
「まさか…」
「あれ以上の技があるってのっ…だゾ!!」
「…エルフ兄ちゃん…」
一夜、リオン、ソラノが酷く驚いた様相を見せ、リサーナが目尻に涙を浮かばながら小さく呟く。
再度息を整えるようにして、大きく息をしているバルファルクは、そんなエルフマンを見て、一つの予測を立てていた。
「あの魔力からして…次が最後の攻撃となるな…ッ!」
そう呟いた途端、エルフマンの顔が自身へと向けられる。その顔には、まるでマグマが血走ったような文様のようなものが見て取れる。更に皮膚は茶色に近い黒い色を有していた。
バルファルク含め、皆がその様に驚いた様子を見せていたが、更にそれ以上の驚きが生まれる。
先ほどまでエルフマンを覆っていた赤き魔力は、強大な何かを形どる。そしてそれは徐々に明瞭な者へと変貌を遂げ、それが何を形作っているのかを認識することになる。それを見た魔導士たちが、特にその生物との関りが深い者たちが驚愕の意を示す。
「あ、あれは…」
「ドラゴン…ッ!!」
「魔力が…!!」
「竜を…」
「形作ってるってのかっ!!!」
ウェンディ、ガジル、スティング、ローグ、そしてナツが続けざまに声を発する。
エルフマンが形作った、赤き猛虎を思わせるような竜は、エルフマンを包み込むようにしてその魔力を安定させ、唸るような咆哮をバルファルクへと向ける。それを見たバルファルクはニヤッと笑みを浮かべる。魔力を感じ取る…。確信する…。そして、エルフマンへと今までにない声を張り上げる。
「ッ!この力認めてやろう!!人間において、俺の戦ったもので、お前の右に出るものは、一人としておらんっ!!!」
バルファルクの言葉を聞きながら、エルフマンは今にも飛び出さんと足と手に力を籠める。そして、バルファルクが続けるようにして口を開いた。それによって発せられた言葉は、魔導士たちを震撼させ、酷く納得させるものとなる。
「この奇しき赫耀のバルファルクがっ!!!…エルフマン・ストラウス!!!。お前を、アレンをも超える最強と呼んでやるッ!!!!!!」
「ッ!!流ッ!!!!」
バルファルクがそう言い放った瞬間、エルフマンは地面を蹴り割って駆け出す。それと同時に、エルフマンが纏っている赤き竜も大きく、咆哮を上げ、巨大な翼
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