第10章 アルバレス帝国編
第53話 八門遁甲の陣
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、バうファルクは体勢を整えようとしたのだ。
…だが、それはバルファルクとエルフマン、その2人が相対する真横から飛来した何かによって遮られることになる。
赤き複数の龍弾がエルフマンへと直撃する少し手前…真横から矢のような、暴風のような衝撃が飛来し、バルファルクが放った赤き龍弾の軌道をずらされる。それにより、龍弾はエルフマンへと衝撃を果たすことはなく、エルフマンの横を掠めるようにして虚空へと流れていく。
「なっ…!!」
その様相をみたバルファルクは、一瞬冷静さを失う。一瞬であった…。だが、その一瞬が命取りであった。音速に迫る勢いで自身へと迫っていたエルフマンは、その一瞬で一気に距離を詰め、バルファルクの胸部にその一撃を決め込んだ。
『バキャ…ブキャ…ッ!!』
エルフマンの拳が、バルファルクの胸部へと衝撃したと同時に、バルファルクの胸元から異様な、形容しがたい破壊音が発生する。
そして、空中へと滞空せしめていたバルファルクの身体は、その攻撃によってその場から剥がされ、エルフマンに押されるようにして空中を滑空する。
「ぐはっ!!!!」
胸部への直撃、そして破壊…。衝撃と痛み、ダメージによって、バルファルクは嗚咽を漏らしながら小さく血を吐き出す。
瞬間、空中を滑空していたバルファルクは、押し流される形で地面へと衝撃し、フェアリーテイルの魔導士たちのいる少し前方を横切るようにして、地面を抉りながら吹き飛ばされていく。
その攻撃により、マグノリアの街に巨大な溝のような傷跡が残ったのは、言うまでもない。
エルフマンの圧倒的な速度、そしてその速度をもってして放たれる圧倒的な力に、その様相を見据えている魔導士たちは、驚愕の表情が浮かぶ。
エルフマンの発動した『八門遁甲の陣』。そしてそれが齎す『死』というリスク。それによる絶望を、皆の頭から一時的に吹き飛ばせざる負えない驚異的な戦いに、皆は視線を固定させるように狼狽していた。
「さっきの技の連撃…っ!」
「っ!ただの連撃じゃない…一回ごとに威力が増してる!!」
「それってつまり…」
「…バルファルクを墜としたあの一撃は…もっとも弱い一撃だったってことか…」
ウェンディ、カグラ、ルーシィ、グレイが言葉を漏らすようにして口を開く。先ほどまで大粒の涙を流して泣き叫んでいたミラやリサーナ、エバもエルフマンの凄まじい攻撃に、目を奪われていた。
エルフマンの連撃による攻撃…『夕象』により、バルファルクが一切の身動きを取れないような様相を見て、皆はまたも大きく目を見開く。そして、そんなバルファルクを直接攻撃しようとするエルフマンと、それを阻止しようと何とか身体を動かすバルファルクの姿を捉える。
「や、やべえぞっ!」
「赤い弾がっ!!」
バルファルクから放たれた数発の赤い龍弾を見て、皆が怪訝な表情を
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