第二章
[8]前話
「そうしてね」
「高血圧になって御免ね」
母は申し訳なさそうに言った。
「早く健康にならないとね」
「だからお母さんはそのお料理でね」
それでというのだ。
「お醤油とかお味噌はそれ以上ね」
「使ったら駄目ね」
「そうよ、我慢してね」
こう母に言った、穂香は料理の塩分を徹底的に減らした、塩だけでなく味噌や醤油もそうしていった。
これで母は健康になると思っていた、運動も積極的にしたからだ。
だが母がどんどん元気がなくなっていくので心配して病院に連れて行くと。
「塩分足りなさ過ぎですね」
「えっ、ですが高血圧で」
「元々然程高い血圧出なかったですし」
他ならぬ恵を身体測定で診察した医師の一人なのでこう言った。
「塩分は多少減らして」
「それで、ですか」
「問題なかったですか」
「あの、かなりお料理の塩分を」
「減らして運動も毎日してもらいました」
「運動もかなり長くですか」
「そうでした、お散歩だけですが」
その距離は実際かなりだった。
「それで、ですか」
「汗もかきましたし」
運動でというのだ。
「それでは」
「塩分も足りなくなりますか」
「そうです、それでお身体の塩分が足りなくて」
「かえってですか」
「よくなかったです」
「そうでしたか」
「塩分を控えめにしても」
それでもというのだ。
「極端に減らしますと」
「かえってですね」
「よくありません、このことは覚えておいて下さい」
「わかりました」
穂香は医師の言葉に頷いた、そうしてだった。
料理の塩分は極端に減らすのではなく多少位にした、すると母は元気を取り戻し。
運動をしていたこともありやがて元の血圧に戻った、ここで穂香はその母にこう言った。
「塩分控えめでもね」
「少な過ぎると駄目ね」
「そうよね、あくまで程々ね」
減らしてもというのだ。
「減らし過ぎたらね」
「よくないわね、お母さんは料理で塩分気にしたことなかったけれど」
母は自分のことも話した。
「やっぱりね」
「多過ぎても少な過ぎでもね」
「よくないわね」
「そうよね」
二人でこう話した、そしてだった。
穂香は塩分を減らす時もほどほどにする様になった、それは他のことでもだった。あくまで程々にする様になった。
塩分控えめ 完
2022・9・17
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ