見滝原中央駅崩壊
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ムーンキャンサー。真名、邪神イリス。
女神の名前にそぐわず、見る者を魅了する美しさを全身に浮かび上がらせながら、それは見滝原の夜空を滑っていく。
その目的地は、見滝原の中心地、見滝原中央。その駅ビルは、見滝原でも五本の指に入るほどの巨大建造物として、見滝原の象徴としても栄えている。
音もなく、その屋上に着地したイリス。
その重量に、見滝原中央駅の駅ビルはきしみ音を立てるが、イリスは構うことはない。
全身から雨による雫を垂らしながら、イリスは静かに見滝原の街を眺める。
やがて、イリスはその咆哮を上げた。クジラの鳴き声にも似たそれは、見滝原全土に行き渡る。
だが、イリスが望んだ反応はない。イリスはより完全な姿を求め、融合相手を探していたのだ。
あの少女が持っていたはずの勾玉。本来であれば、それを通じて彼女を操ることができたのだが、異世界における神の樹が遣わした妖精によって粉々にされたことはイリスが知る由もなかった。
逃げ惑う人間たちには目もくれることもなく、イリスは見滝原の街並みに目を光らせる。
そして___見つけた。
この見滝原中央駅から少し離れた場所で、ライダーのサーヴァントと一緒にいる。離れているが、イリスの速度であればあっという間に到達できる。
今まさに向かおうとするその時。
イリスに追いつくほどの速度を持つ刀使が、その斬撃をイリスへ飛ばしていたのだった。
「無双神鳴斬!」
可奈美の虹色の刃が、夜空を彩っていく。
祭祀礼装によって強化された可奈美の主力技が、イリスの体を切り裂いていく。
だが、ヤマタノオロチを倒したこの技でさえも、イリスの驚異的な再生能力の前ではほとんど役に立たない。
即座に回復し、再び可奈美へ触手を放つ。
「っ!」
可奈美は減速して触手から離れる。体を回転させ、迫って来る触手を全て弾き返す。
さらに、可奈美はさらなる速度で動く。
イリスの触手を全て切り裂き、その本体にも何度も斬撃を与えていく。
その巨体からすれば大したダメージではないだろうが、こちらに注意を向ける事には成功した。
イリスは可奈美へ集中して触手を放つ。もはや可奈美の体で間に通って避けることさえも許されないほどの密度。
だが。
「よく見る、よく聞く、よく感じ取る!」
可奈美は、次々に狙ってくる触手を次々に弾き返していく。さらに、顎下から隙を狙う触手に対しては、体を大きく反らしてバラバラに動く触手を避け切る、さらに、時折千鳥を振り回し、周囲の太い触手を次々と切り裂いていく。
さらに、のけ反った触手に飛び乗り、そのまま駆ける。一気にイリス本体へ辿り着き、その巨体を次々に切り裂いていく。
イリスの悲鳴を耳にしながらも、可奈美はさらにその巨
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ