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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
間章 過去編
第55話 妖精の翼
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、何かが降り注いだことで、その様相は収まりを見せることになる。
「「あでっ!!」」
アレンとコウタは、小さく悲鳴をあげると、頭を擦りながらムスッとした表情を浮かべる。しかし、その表情はそう長くは続かなかった。
「うるさい…」
「「…すみません」」
2人の頭に拳を振り下ろしたのは、カリンであった。カリンは2人に、ジトっとした視線を向けながら、威圧して見せる。そんなカリンに対し、アレンとコウタは一切の戦意を見せずに、平謝りして見せる。
「ほほほっ!さすがはユクモ村の英雄にしてマスターハンター序列2位のカレンでゲコな!」
「「助かりました、カリンさん」」
そんな様相を見守っていたゴコクが笑い飛ばすようにして口を開くと、ヒノエとミノトもそれに乗っかる形で礼を述べた。
「「ちっ…暴力女が…」」「…あ?」「「いえ、なんでもありません…」」
アレンとコウタは、息ぴったりにカリンへの悪口を言ってのけるが、カリンの短く、それでいて威圧感たっぷりの声に、またも謝罪の意を述べることになる。
「…全く、全然話が進まないでしょ…」
「わりい…」
カリンの呆れた様子の言葉に、コウタは申し訳なさそうに口を開く。それを聞き、アレンは疑問も含め、2人に言葉を投げかけた。
「あー、そういえば今日はなんでわざわざカムラまで来たんだ?コウタもベルナから随分と遠いだろ、ここまで…」
「…そうね、簡単に言うと『妖精の翼』宛にギルド総本部から直接依頼がきたのよ、そうでしょ?ミノト」
アレンの質問に、カリンは言葉に抑揚をつけずに返答して見せる。
「はい、カリンさん。今回の依頼は、何やら不可解なモノであるらしく、最強のギルドチームである『妖精の翼』のお三方へ依頼するのが最も適切であるとのご判断だそうです」
「チーム指名の依頼ってのは聞いてたが…、よくよく考えれば『マスターハンター』を3人も出張らせるってことは、相当やべえ依頼なんじゃねえの?」
ミノトの言葉に、コウタは顎に手を添え、神妙な面持ちを見せる。
「…なんでも、依頼にある討伐対象は、真っ白なナルガクルガとジンオウガだそうよ…」
カリンの言葉に、アレンとコウタは大きく目を見開いて見せる。依頼の内容を事前に知っていたヒノエ、ミノト、ゴコクは特に驚いた様子を見せてはいなかったが、それでも怪訝な表情を浮かべているのは言うまでもないだろう。
「真っ白?緑と黒じゃなくて?」
「ええ、真っ白だそうよ」
「希少種…変異個体か…?どちらにしろ、未確認の個体であることは確かだな…」
アレンの問いかけにカリンは頷くようにして答える。真っ白な個体と聞き、コウタは憶測を広げるが、楽観できないという状況を理解し、考え込むようなそぶりを見せる。
「なるほど…それで、俺たちに直接依頼が来たってわけか…」
「そうゆうことね」

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