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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
間章 過去編
第55話 妖精の翼
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暖かな陽光が降り注いでいる。
睡眠から幾ばくも時間が経っていなこともあり、アレンはその陽光にまぶしさを覚え、その光を遮るようにして片手を顔の前に添える。そんな風にしていると、アレンの身支度を待っていた2人の女性が声を掛けてきた。
「「さあ、参りますよ♪」」
「ええ」
ヒノエとミノトの催促に、アレンは短く答えて見せる。1年ほど前、百竜夜行が完全に終息したことにより、カムラの里にはいつも以上の活気が戻っていた。
アレンは百竜夜行を退けたとして、里中から信頼され、英雄と呼ばれるまでのハンターとなっていた。
ヒノエとミノトと共に、集会所へ向けて歩いている途中も、茶屋のヨモギや飴屋のコミツに明るく声を掛けられる。アレンはそんな里の住民に軽く挨拶を交わすと、ヒノエとミノトの後を追うようにして集会所へと入っていく。
集会所に入ると、いつも見慣れた景色が広がっており、そこにはアレンを待っていると思しき2人の人物が見て取れた。その2人を見て、最初に言葉を発したのはヒノエであった。
「お待たせいたしました、カリンさん、コウタさん」
ヒノエがそう言葉を発すると、先の2人が振り返るようにして視線を向ける。
1人は女性であり、長い緋色の髪を腰まで流し、キリっともジトっともとれる表情をしていた。もう一人は男性であり、マッシュパーマのような青い髪をしていた。両者ともアレンと近い年の瀬であることが理解できる。
そして、このカリンとコウタという人物は、遠い未来の遠い世界で、アレンが出会うことになるエルザとジェラールという人物に瓜二つの容姿をしている。
「よお、アレン、待ちくたびれたぞ!」
「遅かったじゃない…」
コウタとカリンは、微笑を漏らしながらアレンへと言葉を掛ける。
「わりいわりい、昨日ちょっと遅くなっちまってさ…」
アレンは少し申し訳なさそうに口を開きながら言葉を漏らした。
「確か昨日は、ナルガクルガの討伐に出ておりましたね」
「ええ、少し手間取ってしまいまして…」
ミノトが思い出すようにして口を開くと、アレンはどこか恥ずかしそうにして返答する。
「なんだよ…。腕が鈍ったんじゃないか?情けねえな…」
「あぁ?喧嘩売ってんのか?コウタ!!」
「ああ!やってやろうじゃねえか!!アレン!!」
コウタの発言を発端として、アレンとコウタが頭突きをかましながら睨みあう。そんな雰囲気にヒノエとミノトが少し焦ったように口を開く。
「ア…アレンさん、コウタさん…ッ!」
「おやめください…」
「んん…まーた始まったでゲコね…」
睨みあい、今にも殴り合いそうな2人を宥めようと、ヒノエとミノトがあたふたとして見せる。巨大なカエルのような生き物?に乗っているゴコクは呆れたように口を開く。
そんな、まるで猛獣のような様相を見せているアレンとコウタの頭の上に
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