間章 過去編
第55話 妖精の翼
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強さに応じて『序列』というモノが存在する。アレンがマスターハンターとなった際にマスターハンターの名を有する者は合計で8人存在していた。そんな8人の中で、アレンは様々な観点から『序列3位』の称号を得て、その後もカムラの里を起点にモンスターハンターとして活動をしていた。
…さて、そんなアレンは、17歳の時に百竜夜行を終息へと持ち込み、平穏なる日々を送っていた。そんな風にして1年を過ごし、18歳となった春…。
この過去の記憶は、アレンがカムラの里で過ごす、とある一日の物語である。
輝かしいほどの朝日が昇り詰める晴天の日。
アレンは、自宅のベットで寝転げながら、浅い睡眠に身を預けていた。そんな矢先、共にモンスターの狩猟を行っているガルグが、泣き声をあげながらアレンの身体を揺さぶる。
「んっ…んー…」
ガルグが激しく身体を揺らしてきたことにより、アレンはパチッと目を覚ますことになる。
「ああ…どうしたんだよ…おい、何だよ…ったく…」
アレンが目を覚ましたのを確認したガルグは、アレンの身体に顔を擦り付けて甘えてくる。そんなガルグを見て、アレンは身体を起こして、両手でもって撫でまわして答える。
「ははっ…ったく、しょうがないやつだなー…」
アレンはそんな風にしてガルグを撫でまわしていたが、朝食の準備のために火元を見ていたアイルーが何かに驚いた様子を見せることに気付く。
と同時に、そんなアイルーに対し、口元に指を添え、『シィー…』と小さく呟く女性がいた。アイルーより少し遅れ、その存在に気付いたアレンは、それを認知すると、ため息をついて呆れた様相を見せる。
「あっ…」「あぁ…」
女性は2人でアレンの自宅へ入ってきた様子で、アレンに気付かれたことを悟り、見合わせるようにして視線を交差させる。
「あらあら、気付かれてしまったわ、ミノト」
「無念です…ヒノエ姉さま」
アレンはヒノエとミノトの言葉を聞きながら、ベッドから身体を持ち上げ、ゆっくりと2人の元へと歩み寄る。
「完璧に気配を消していたのに…」
「完璧な忍び足だったのに…」
「「さすがは、カムラの里の英雄!」
「まだまだ、私達は修行不足のようです…」
そう言い終えると、ヒノエとミノトはまたも目線を合わせて嬉しそうに微笑む。そんな2人を見て、アレンは一つため息をつくと、呆れたように口を開いた。
「ヒノエ姉さん、ミノト姉さん…また勝手に入ってきて…」
「勝手に入ってきてはダメですか?いやですわっ!同じ里のよしみ、家族のようなものじゃないですか!」
アレンの些少の怒りにも、ヒノエはのほほんとした様子で口を開く。
「私たちがアレンさんの家に来るなど、毎日のことではありませんか」
「いくら家族みたいなものだとは言っても、俺も男なんですから、少しは気を使ってくださいよ…」
ミノ
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