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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第54話 のべつ幕なし
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き声のようなものが漏れる。些少の希望が、その表情に浮かび上がる。
そんな中、緋色の髪の毛を腰まで下げた女が、小さく笑い掛けながら口を開いた。
「アレン…ッ!」
…アレンと呼ばれた目の前の男は、黒いマントををはためかせながら、その大きな背中を魔導士たちに向け、アクノロギアと相対するようにして仁王立ちしていた。

フェアリーテイル含めた魔導士たちは、アレンの後ろ姿をその目に捉えながら、些少の希望と強大な緊張感をもって見守っていた。
アクノロギアは、一本の太刀を換装して見せているアレンにを見据え、ゆっくりと口を開く。
「間に合った…か。それは、我が後ろのゴミ共に手を出す前にこの場に来れた…という意味か?」
「…さあ、どうだろうな」
アレンは手に持った太刀の切先をゆっくりとアクノロギアへと向ける。
「ふんっ…。まあいい…。だが、もし貴様の『間に合った』という言葉の意味が、我が言っている意味だとすれば…大きな誤解だ」
「ほう?なら、やはり奴を呼んだのお前か?…一体どういう関係性なのか、気になるところだな…」
アレンの言葉を聞き、アクノロギアは些少の疑念をその顔に表す。
「なんだ…気付いていたのか…であれば、なぜ逃げん?…知っているはずだ。貴様は一度、我らに敗れたことを…」
「…決まってんだろ。今ここで俺が逃げたら…大切なもんをすべて失っちまうんでな…。それに…」
アクノロギアの不穏な言葉、それに対するアレンの返答に、アレンの後ろに控えるようにして座り込んでいるフェアリーテイル含めた魔導士たちは疑念と畏怖を覚える。…何とも静観しがたい話の内容であったからだ…。そう、まるで両者と同等、それ以上の存在がこの場に現れるようなその物言いに、酷く不安になっていたのだ。
…そして、その不安が現実のものとなる。天高く漂う白き雲は、一気に黒さを有し、まるで頭上で強大な台風が起こっているような様相を見せる。
その台風の中心、台風の目には稲妻とも龍気ともとれる力の波動が感じ取れる。
「おいおい、冗談だろ…」
「あれは…まさかッ!」
ギルダーツ、カナがそんな様相を見せる空を見て、酷く狼狽したように声を発する。その畏怖を思わせる台風の目から、巨大な黒が現れ、その黒は一気に落下して見せたかと思うと、マグノリアの街を旋回し始める。
「煌黒龍ッ!」
「ア…アルバトリオンっ!!」
「くっ…次から次へと…ッ!」
ウェンディ、ウルティア、エルザが酷く怯えた様子で口を開く。旋回して見せていたアルバトリオンは、暫くしてアクノロギアの隣に鎮座するようにして着地して見せる。
…それを見たアレンは、手に持つ太刀に一層力を籠めるようにして柄を握りしめる。
「久しいな…ハンター魔導士よ…」
アルバトリオンはそんな姿のアレンに向け、低く唸るようにして言葉を漏らす。小さ
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