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Fate/WizarDragonknight
ぶっ壊したい
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抱きしめ、しゃがませる。
 すると、降下してきた発光体が、地面すれすれを滑空し、再び上昇していった。突風により、瓦礫が少し動き、真司たちも踏ん張り、髪が乱れる。

「な、何だあれ……あっ!」

 さらに、上空に浮遊する巨大なオレンジを追いかける、三つの光があった。
 真司の頭上を通過した三つの光。それはよく見れば、人の形をしており、さらに目を凝らして見ると、その顔が真司にとってなじみ深い顔だと判明した。

「友奈ちゃん! 可奈美ちゃんに響ちゃん! ってことは、アイツは……」

 参加者。
 そして、良く目を凝らしてあの謎の参加者を睨めば、そのディティールには真司も見覚えがあった。
 それは同時に、アカネにもまた同じ感覚を覚えさせた。
「ムーンキャンサー……!」

 見滝原山で戦った、ムーンキャンサー。
 真名、邪神イリス。
 やがて、イリスを始め友奈たちが雲の上へ昇っていく。見えなくなった雲の上では、それぞれの戦いが続いているのだろう。時折、自然の空にはあり得ない光の色が雲の裏で瞬いている。
 真司はアカネと雨雲を見比べる。
 だが、アカネはすぐさま真司の元から離れ、そのまま走り去っていく。

「待ってアカネちゃん!」

 追いかけようとするが、あの細身のどこにそんな力があるのだろうか。
 あっという間に真司は、アカネを見失った。
 そのタイミングで、またしてもイリスが戦闘を行っている音が上空から轟く。

「ああもうっ!」

 真司は近くのカーブミラーに向けて、龍騎のカードデッキを向ける。
 すると、鏡の中の真司の姿に、銀のベルトが装着された。Vバックルの名を持つそれ。
 さらに、真司は右手を斜めに掲げ、宣言した。

「変身!」

 無数の鏡像が真司に重なり、龍騎となる。「っしゃあ!」と意気込んだ龍騎は、一歩踏み込んだところで動きを止めた。
 カーブミラーに飛び込むことで、鏡の中の異世界、ミラーワールドに転移する。
 ミラーワールドに置かれている龍騎のバイク、ライドシューター。巨大なマシンに乗りこんだ龍騎は、現実世界のムーンキャンサーの位置に合わせて、ミラーワールドを移動していった。
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