ぶっ壊したい
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呪が刻まれていた。
トレギアのものだと思われる令呪は、再び蒼い光を放ちだす。
「今すぐここに来て! サーヴァントが……うっ!」
だが蒼い光は、時間が経つごとにどんどん弱まっていく。やがて完全に光が消失し、ただの黒い刺青と化した令呪を見下ろし、アカネは悲鳴を上げた。
「トレギア! どうして!? 何で!? 令呪って、何よりも優先じゃないの……!?」
「だから大丈夫だって!」
真司はもう一度訴える。カードデッキを床に放り、足でアカネのもとへ蹴り流す。
「ほら! これで俺は何も出来ないから! な? だから、安心してって」
「……」
アカネは令呪がある手首を掴みながら真司へ警戒の視線を送り続ける。
真司は苦笑いを浮かべながら、コホンと咳払いをする。
「えっと、ほら。俺たち昨日はバチバチしてたから、自己紹介もしてなかっただろ? ほら、メシ食いながら話そうぜ」
真司は冷蔵庫の中から作り置きしてあった餃子を取り出す。中古で購入した電子レンジに入れて、あっという間に焼き上げる。
「出来たぜ。コイツでも食って、腹割って話そうじゃねえか」
だが、アカネの表情に変化はない。
困り果てた真司は頭を掻き、餃子を盛った皿を畳の上に置いた。
「俺は城戸真司。それとも、ライダーのサーヴァントって言った方がいいかな? 得意料理はこの通り餃子だ。ほら。うまいぜ?」
食器入れから箸を二膳取り出し、片方を皿に置く。もう片方で餃子を掴み、食べてみせる。
毒など入っていない。それを証明するように、真司は置かれている餃子を一つ、食して見せた。
アカネはそれでも、真司を睨み続けている。
やがて息を吐いたアカネは、「で」と言葉を発した。
「何が目的? そもそも、何で私の名前知ってんの?」
「そりゃ友奈ちゃん……あ……俺と一緒にいたあの女の子から聞いた」
「そもそも何でそっちは名前知って……アンチ君かぁ」
アカネは頭を抑えて項垂れた。
「あの子本当に邪魔だったなあ……作る必要なかったじゃん」
アカネはそう言って、観念したかのごとくしゃがみ込んだ。
「ちょ、ちょっとどうしたの?」
「何かもうどうでもいいって言うか……何もかも上手くいかなくて、もういいやってなった」
「もういいやって……」
「トレギアは私の令呪に反応してくれないし、肝心のムーンキャンサーは私の手に入らないし、結局私自身は敵のサーヴァントに掴まっちゃって……もうどうでもいいやって
首を傾けたアカネは、光のない目で真司を見上げる。
「もう煮るなり焼くなり好きにすればいいじゃん。綺麗ごと言ってさ……どうせ私を殺すことが目的なんでしょ?」
「そんなことしないよ。第一、それが目的だったら君
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