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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第52話 禁忌の魔法
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様子で疑問を投げかけようとするが、それは遮られることとなる。
「いや…俺が望んでいるんだ…」
エルフマンはそう小さく呟くと、とある過去の記憶を思い出す。約8年前…ミラやリサーナと共にアレンに救われ、フェアリーテイルに加入して間もない頃の記憶であった。
何かを悩んでいる様子を見せる幼いエルフマンの頭を、アレンがそっと手を添えている…。
『いいじゃないか…。例え臆病で小心者でも、立派な魔導士になりたい…か。ふふっ!!頑張る価値のある、いい目標だ…』
アレンのそう言い放った言葉に、幼いエルフマンは目を見開きながらアレンを見つめる。
『エルフマン…。俺はいつでもお前の味方だ…。だから、お前は自分の信念のもと、自分の道を突っ走ればいい…』
アレンはそう呟くと、ニカッと笑って見せる。
『…俺が笑ってみてられるくらいの…強い男になれ…!!』
…エルフマンは、そんな記憶を噛みしめるようにして、ゆっくりと口を開く。
「魔導士としての力は…アレンからもらった…。家族との幸せな時間は、姉ちゃんとリサーナからもらった…。敗北の悔しさは、ラクサスからもらった…。愛する女がいることの楽しさは…エバからもらった…。そして…」
エルフマンの言葉に、ミラ、リサーナ、ラクサス、エバーグリーンがどこか感慨深そうにしている。…そして、些少の不安の色も、4人からは見て取れた。
「仲間がいることの喜びは…フェアリーテイルから…みんなからもらった…!」
その場にいる魔導士、特にフェアリーテイルの魔導士たちは、目を見開き、感動するような表情を浮かべている。
エルフマンは些少の恥ずかしさを持ちながらも、決心したように言葉を続ける。
「満足だ…。あとは、それを最後まで守り通す…!」
エルフマンは、そう言い放つと、一瞬で身体に緑色の魔力を放出させ…第6門である景門をこじ開け、バルファルクへと走って向かっていく。
「ま、待つんじゃ!!エルフマン!!!」
「よ、よせーっ!!」
マカロフ、ギルダーツが制止するように声を掛ける。だが、圧倒的な速度をもって走り去るエルフマンを捉えることはできず、その制止は虚空を漂うこととなる。
「い、一体何だってんだ!!」
「何をする気なのっ!!」
「エルフ兄ちゃん!!」
「エルフマン!!」
ナツ、エバ、リサーナ、ミラも状況が理解できずに、先の2人と同様に声を張り上げる。
エルフマンは、そんな声を背中で受け止めながら、心の中で自身の思いを打ち明けるようにして言葉を浮かべる。
「(心よ燃えよ…魂よ咆えよ!!)」
エルフマンを纏う緑色の魔力が、徐々に赤いものへと変貌を遂げる。エルフマンは自身の両腕を顔の前でクロスさせながら、バルファルクとの距離を更に詰める。
「(…今こそ、自分の大切な者を…死んでも守り抜くときーっ!!)」
「第八死門
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