第10章 アルバレス帝国編
第52話 禁忌の魔法
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エルフマンに、心配そうに駆け寄る。
「姉ちゃん…エバ…ああ、右腕と肋骨数本にヒビが入った程度だ…」
エルフマンは、痛みに耐えながら声を絞り出す。そして、先ほどまで戦闘を繰り広げていたバルファルクへと視線を移す。ダメージを与えることに成功はしたものの、致命傷には遠く及ばず、ピンピンとした状態で鎮座しているのが見えた。他の皆もそんなバルファルクの様相に気付き、苦悶の表情を上げる。
「…あれだけの攻撃を受けてもまだ…」
「…どうすれば…」
レヴィ、ミネルバが小さく呟くように答える。それを聞いたヒノエとミノトも、万策尽きたように表情を硬いものにする。
「奇しき赫耀のバルファルク…」
「奴は…強すぎる…」
ヒノエとミノトの言葉に、他の皆も目を細め、バルファルクの姿を睨むようにして視線を固定する。
「…まだだ…望みを捨てちゃならねえ…」
そんな皆の不安を払拭するように、エルフマンが呟く。
「で、でも…あのジンオウガですら怯ませた…いや、それ以上の技をもってしても倒せないんだよ…」
ハッピーはエルフマンの言葉に、酷く狼狽して口を開く。エルフマンがかつて、ドラゴンレイドの際に戦った雷狼竜ジンオウガ。その際に発した第6景門による朝孔雀以上の技をもってしてもバルファルクを追いこめていない状況に、絶望の色が滲み出ていた。
エルフマンは、ハッピーの言葉をしっかりと噛みしめながら、何かを決意したような表情を見せる。
「…エルフマン…」
ラクサスは、そんなエルフマンに向け、心配そうに言葉を投げた。
「…確かに、望むことすべてができるわけじゃない…。しかし、やるべきことは、いつも望んでから出なければ始まらん…」
エルフマンのその言葉に、一人の男が大きく目を見開いて見せる。
「ッ!ま、まさか…最後の死門を…ッ!!」
その男はギルダーツであり、酷く困惑しながら声を発した。それを気にも留めずに、エルフマンは小さく息を吐いたかと思うと、真剣な様相でゆっくりと口を開いた。
「…どうやら、最後の門を開くときが来たみたいだ…」
そう言い放つエルフマンの背中は、いつも以上に、どこか大きく見えるようであった。
エルフマンの昼虎を真っ向から受け、それでも未だ強大な畏怖を覚える様相を見せているバルファルクは、魔導士たちを見下ろすようにして滞空している様子を見せる。そんなバルファルクの様子をじっと眺めながら、エルフマンは睨みつける視線を崩さない。そんなエルフマンの背中に声を浴びせるようにして、ギルダーツとマカロフが口を開く。
「まさか…最後の死門を…ッ!」
「それはダメじゃ!!このわしが許さん!!何より、ここにいる誰も、それを望んではおらんッ!!…アレンですらきっと…ッ!」
2人の狼狽した様子に、エルザやミラたちは一体何が起こっているのか理解できないと言った
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