第10章 アルバレス帝国編
第52話 禁忌の魔法
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俯いて見せる。そして、少しの間をおいて、再度小さく呟く。
「…お前には、一切の魔法が効かない…故に、お前を倒すには膂力での攻撃しか…お前を消滅させるには滅竜の魔法しかない…そう思っていた…」
アレンの言葉を、アクノロギアは静かに聞き入っていた。
「…1年前まではな…」
「…なんだと?」
アレンの含みある言葉に、アクノロギアは怪訝な様相を見せる。
「…だが、それが間違いだった…。魔法が効かないのであれば、魔法以外の手段で攻撃すればいい…そしてそれを、お前を滅するだけのモノへと高めればいいだけの話だったんだ…」
アレンはそう言葉を言い終えると、スサノオに纏っていた赤黒いオーラを更に強力なモノへと変化させる。そして、それを纏った剣をアクノロギアに向けると、畏怖を込めた言葉を言い放った。
「この力は『覇気』…。全ての人間に潜在する『意思の力』…。引き出すのは容易ではないが、身に着ければ圧倒的な力の強化を得ることができる…。そして何より…」
アレンはそう言ってアクノロギアへと覇気を纏ったスサノオの両の剣を振りぬく。アクノロギアは避けきれずに些少の切り傷とダメージ負う。…身体だけでなく、魂にも。アクノロギアはそれを感じ取り、再度驚きを浮かべる。
「この力は…竜の身体を、魂を…あらゆるものへと届きうる力を持つ…。そう…神にすらも…」
「なるほど…意思の力…か。そんなものが存在していたとはな…。アレン・イーグル…やはり貴様は別格だ…」
アクノロギアは、久しく感じなかった命の危機を前に、今までにない警戒を張り巡らせる。それは、アレンという本当の意味で自身の存亡を脅かす存在を意識してのことであった。…だが、その警戒が、全く別の力を、波動を感じ取ることになる。それは、先ほどアレンが言った『意思の力』のようなものであり、アレンと同じ自信を滅しかねない力であった。
「っ!これは…一体…東の方向か…」
「…っ!マグノリアの方向…!まさか…この感覚…昼虎…エルフマンか!!」
アクノロギアはその畏怖を覚えた力を発する方向を察知すると、怪訝な様相を見せる。加えて、アレンもその力に気付き、狼狽して声を発する。…そう、修行期間中に、エルフマンに伝えた禁じられた膂力魔法の力であったからだ。
「ま、まさか…第7門まで開いたのか…。俺でも習得できなかった力を…」
アレンはその力に、それを解放しているであろうエルフマンのことを思い浮かべながら、酷く困惑して見せる。だが、対してアクノロギアの反応はまったく別のモノであった。
「…相対しているのは…天彗龍か…ふふふっ…これは好都合…」
アクノロギアはそう言い終えると、翼を大きく広げ、空中へと飛翔する。それを見たアレンは大きく目を見開いてアクノロギアを見つめる。
「…アレン…うぬとの戦いは一時お預けだ…。我は、天彗龍を喰
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