第10章 アルバレス帝国編
第52話 禁忌の魔法
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ことで、皆が冷静さを取り戻していく。
「っ…!急ぎましょう!!エグルさん!!」
ウェンディの言葉を聞いてか、エグルは「キィィッ!!」と鳴き声を漏らすと、先ほどの様相を見せていた場所へ向けて、翼をはためかせて向かっていった。
首都クロッカスにおいてアクノロギアとの戦闘を行っているアレンは、スサノオを展開して迎え撃っていた。
アクノロギアは、アレンのスサノオの力に驚きつつも、戦闘を楽しんでいるような様相を見せていたが、何度かスサノオの攻撃を受けたことで、それを怪訝な表情へと変える。
「貴様…なぜ…」
アクノロギアは目を細めながら、問うようにしてアレンへと声を放つ。それを聞いたアレンは、ふっと小さく笑いかけると、アクノロギアと距離を取り、一時攻撃を中断する。
「気付いたか?…まあ、気付かない方がおかしいわな…」
アレンはアクノロギアの言葉を噛みしめるようにして口を開く。アクノロギアは、アレンの動きに警戒を見せつつも、自身も攻撃を中断し、続けて問いかける。
「なぜ…なぜ我の魂に攻撃を…」
アクノロギアは酷く困惑していた。アレンの力は絶大だ…。人間の身でありながら、竜の王である自身と互角の戦い…いや、上回る戦いを見せてきた。剰え、敗北を喫したこともある。だが、アレンがいくら強くとも、滅竜の力を持たぬアレンには、自身の魂を気付つけることはできない…。故に、アクノロギアからすれば、アレンといくら戦闘を行おうとも、本当の意味での消滅、死を迎えることはない。
それこそが、例えアレンの力の方が上だと理解していても、アクノロギアが今迄アレンとの戦闘を幾度となく繰り返していた理由であった。
アクノロギアにとっては、アレンとの戦いで自身が本当の意味で死することはない。幾たびも戦闘を続けていれば、いづれアレンの命を刈り取るチャンスを得ることができる。例えそれが不可能でも、戦闘を行えば行う程、アレンの寿命を奪い取ることができる。
将来的に見れば、アクノロギアに敗北はなかった。
だが、今のこの状況は、上記の内容を悉く打ち壊すものであった。…アレンの攻撃が、アクノロギアの魂に届いているのだ。それも、滅竜とは違う、自身の知りえない力によって。
「これは…スサノオの力ではないな…黒き稲妻のようなオーラ…それが我の魂に傷を…」
アクノロギアは目を細めながら、アレンの、スサノオの様相をその目に写す。アレンの発動しているスサノオの両の手に携わる魔力の剣は、赤黒いオーラのようなものを纏っていた。それは、前回の戦い、天狼島でのアレンとの最後の衝突の際に見たものと同じであったが、その力と様相は、その時のモノとは比べものにならない程の力と畏怖を抱かせるものであった。
「ああ、お前の予想通り、お前の魂に傷をつけているのは、この黒きオーラの力だ…」
アレンはそう呟くと、少し
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