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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第52話 禁忌の魔法
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子であった。拳だけでなく、足と身体…全身を用いて柔軟かつ高速で動き回り、バルファルクに攻撃を仕掛ける。
「まさか…エルフマンが…」
「こんな魔法を…」
エバーグリーンとミラは、まるでアレンの戦闘を見ているような様相を見せるエルフマンに驚愕の意を示していた。
「っ…俺より、速い!」
ラクサスが、どこか悔しそうに呟いたそれは、周りにいるものを更に驚愕させる。いや、目の前で起こっている応酬を見れば、それは手に取るようにわかる。だが、当の本人が…。フェアリーテイルのメンバーであれば、ラクサスはアレンに次いで圧倒的な速度を誇った魔法と身体能力を持っている。そんなラクサスが「自分より速い」と認めたということは、それはつまり、アレンにも肉薄する程の速度であるということだ。…現に、音速を超えるともいわれているバルファルクが、済んでのところで何とか躱しているのを見ても、それは事実としか言いようがなかった。
そんな風にして驚いていた皆であったが、その驚きの元凶であるエルフマンは、両手の指を絡めながらバルファルクへと突進していく。
「喰らえ…」
先ほどまでとは違う動きを見せたエルフマンに、バルファルクは目を見開いて警戒する。
「昼虎ぁ!!!!」
エルフマンがそう呟くと、瞬きをする間もなく真っ白な気弾のようなものが現れ、それは虎を思わせるものへと形作られる。
バルファルクは猛虎を思わせる白き気弾の速度に驚きつつ、回避が難しいことを悟ると、両の槍翼でもってそれを防ごうとする。
刹那、白き猛虎はバルファルクへと衝撃を果たすと、一気に拡散する。それによって生じた暴風が、白き煙のようなものが、圧倒的な力を振りまきながらマグノリアの街を駆け巡った。

首都クロッカスからエグルに乗ってマグノリアに向かっていたエルザ達は、あともう少しと言ったところで、強大な青い魔力と暴風に揉まれる。その暴風に一瞬身体を持っていかれたエグルであったが、即座に体勢を整えて飛翔を安定させる。そのエグルの背に乗っていたエルザ達も、その暴風に驚きつつも、その発生源へと視線を向ける。
「これは…マグノリアの街から…」
「一体なんだ…」
ウェンディとエルザが目を見開きながら驚きを見せる。徐々にマグノリアの街が大きくなっていく中で、その様相の詳細を理解することになる。
「白い…虎か…?それにこの魔力…エルフマンか!?」
「ッ!それにあれって!?」
「くっ…バルファルクか!!」
ジェラール、ウェンディ、エルザがそれを認識すると、再度圧倒的な暴風が襲い掛かってくる。それは、エルフマンが発動した昼虎の余波であった。
「な、なんて力だ…!」
「エルフマンの仕業なのか…」
エルザ、ジェラールは、圧倒的な暴風に驚きつつも、大きく言葉を発して見せる。暴風が収まりを見せ、些少の静けさを取り戻した
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