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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第51話 白魔導士
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両者は組み合う形で衝突を果たした。

ナツの命そのものであるENDの書。その書物を書き換え、ナツが死ぬという運命を変えたルーシィは、赤い紋章のようなものに身体を侵食される。だが、その悪の力を、滅悪魔法を有したグレイが鎮め、事なきを得る。
「ごほっ…ごほっ…」
息をすることができないほどに身体を侵食されていたルーシィは、自身を縛る呪縛から解放されたように咳ばらいをする。
「大丈夫か?」
そんなルーシィの姿を見て、グレイが心配そうに呟く。
「はぁ…ありがとう、グレイ…」
ルーシィは自分を救ってくれたグレイに、笑みを浮かべながら礼を述べた。
「ッ!ねえ!見て!!」
そんな2人の様子を眺めていたハッピーであったが、地面に転がるENDの書が緑色の光を帯びて消えていく様を見て、大きく声を上げる。
「本が…消えていく…」
「それって…」
グレイの言葉に、ルーシィが狼狽したように声を上げる。
「ゼレフを倒したんだッ!」
グレイは微笑しながらルーシィの質問に答えた。ハッピーはその消え行くENDの書を見て、涙を浮かべて俯く。
「この本が消えたとき…ナツも…」
ハッピーの言葉に、ルーシィも目尻に涙を浮かべ、ハッピーを胸に抱き寄せて抱擁する。
ENDの書は、真っ白な砂と化し、その砂は風に流され、その姿を消し去る。
ハッピーとルーシィの頬に、涙が伝う。グレイは目を閉じ、物耽る様子を見せる。
…だが、そんな3人の元に、ゆっくりと足取りを向けてくる音が聞こえる。
その足音は次第に大きくなり、それを発しているであろう人影が見える。人影は徐々に大きくなり、3人はそれが誰であるのかを認識するまでに至る。
ルーシィは溢れ出る涙を受け止めるようにして、手で顔を覆う。そして、その人影は、3人との距離が10m程度までになったところで、その足取りを止める。
「よお…」
「ナツ…」
それはナツであり、満身創痍ながらも片手をあげて元気そうに3人に声を掛ける。ハッピーは小さくその声に返事をして見せると、エーラの魔法を発動させ、ナツの元へと飛んでいく。
「ナツーッ!!」
そんなハッピーの姿を目にして、グレイとルーシィは思わず笑みを零す。
「おう…終わったぞ…」
「…ああ」
ナツの言葉に、グレイは短く、それでいて真剣な様相で言葉を返す。ルーシィはゆっくりとその身を立たせ、満面の笑みでナツに言葉を掛けた。
「おかえり…ナツッ!!」
そんなルーシィの言葉に、ナツも満面の笑みを浮かべて答えた。
「ああ、ただいま、ルーシィッ!!」

アンクセラムの呪い…。それは、人を愛せば愛する程に、周りの命を奪っていく矛盾の呪い。その呪いを解くカギは…人に愛されること。…心の底から人に愛され、そしてそれを受け入れたとき、その呪いは解かれ、不死の呪縛から解放される。

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