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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第51話 白魔導士
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、目だけを動かし、驚きに満ちた表情を浮かべていた。
「身体が…動かない…こんなのは初めてだ…」
ゼレフがそう呟くと同時に、先ほどまで真っ白だった髪の毛が、本来の黒いものへと変化していく。加えて、先ほどまで意識を、いや、死人であったメイビスがゆっくりと立ち上がる。…この二つから、八卦解印によって分離され、ゼレフの中に入っていた『妖精の心臓』がメイビスの身体に戻ったことが伺えた。
ナツは、ゆっくりとゼレフとメイビスに背を向け、歩み始めた。そして、後ろで身を震わせるメイビスに向け、呟く。
「あとは…任せていいんだな…初代…」
「ッ…はい…」
メイビスは返事をするのと同時に、倒れこむゼレフの元へと視線を向ける。ナツはその返事を聞き、一つため息をつくと、吐き捨てるようにして口を開いた。
「俺…もう疲れたよ…早くハッピーたちの顔が見てー…」
そして、ナツは歩き出す。
…左手を少し上げ、感慨深そうに口を開いた。
「じゃあな…兄ちゃん…」
ナツはそう言い残し、ギルドを去っていった。
…それとは反対に、メイビスは震える足でゆっくりとゼレフの元へと歩み寄る。
「メイ…ビス…」
そんなメイビスを見て、ゼレフは小さく呟いて見せた。

エルザ、ジェラール、ウェンディは、アレンが立ち去る前に口寄せした大鷹、エグルに乗ってマグノリアの街へと向かっていた。
エグルの背中は、10名程度は余裕で座って乗れるだけの大きさがあり、エルザ達3人は半ば寝そべりながら寛いでいた。いくらアレンから齎された回復薬を飲んでいるとはいえ、ダメージは完全に回復しておらず、加えて疲労感は尋常ではなかったのだ。
そんな折、ウェンディが言いにくそうに口を開く。
「あの…エルザさん…アイリーンさんは…連れてこなくてよかったんですか?」
「…あの人が同乗を拒否したんだ…無理強いはできんだろう…それに…」
ウェンディの言葉に、エルザは感情なく答える。エルザが止めた言葉を、ジェラールが補うようにして口を開く。
「20以上の確執…埋めるには相応の時間が必要だ…エルザも、アイリーンもな…」
ジェラールの放った言葉に、エルザはゆっくりと眉を顰める。
「埋める…か…」
エルザはそう呟き、エグルの進行方向へと視線を向けた。
…さて、エルザ達は首都クロッカスからマグノリアへ、つまりは東に向かっていた。故に気付かなかったのだ。…西方からくる、黒き翼に。
もしそれに気づいていれば、エルザ達は身体に鞭打ってでも、アレンと共に戦いに臨んだだろう。
…まあ、アレンにとってそれは、非常に好都合であった…のだが…。この含みある言葉の意味は、すぐに分かることになる。

アクノロギアの咆哮を聞いたアレンは、ゆっくりと首都クロッカスの街並みを歩いていた。先のバルファルクとの戦闘の際に、ほぼすべての住
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