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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第51話 白魔導士
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か動かそうとしていた。そんな折であった。目の前にいたアレンが、背中を向けて歩き去っていく。
「ア…アレンさま…」
ヒスイは、愛しいアレンが遠ざかっていく様に、些少の平常心を取り戻す。
「ヒスイ王女…どうやら、ゆっくりはしていられないようです…」
「な、何を…っ!」
アレンの言葉に疑問を投げかけようとしたその瞬間、玉座の間に…いや、クロッカスに圧倒的な咆哮が響き渡る。その咆哮に、アルカディオスが酷く怯えた様子を見せる。
「ま、まさか…バルファルクか…!!」
「いや…これは、アクノロギア…」
アレンの小さく呟いた言葉に、ヒスイ達は目を見開いて恐怖を滲ませる。
「バ…バルファルクの次は、アクノロギア…何なんだ…一体…ッ!」
トーマは、震える足で半歩身を引いて見せた。そんなトーマの様子を気にも留めず、アレンはゆっくりと振り向いて見せると、ヒスイに向けて口を開いた。
「ヒスイ王女…私は今から、黒いトカゲを討伐して参ります…この場で暫し、お待ちいただければと…」
「なっ…何を言っておる!アレン殿!!お主はバルファルクとの戦闘に加えて遠方から戻ってきたことで酷く消耗しておる!!アクノロギアを相手にするなどッ!」
アレンの言葉に、アルカディオスは激高した様子で言葉を放つ。…だが、ヒスイは落ち着いた様子で笑みを漏らしていた。
「はい…。行ってらっしゃいませ…。アレン様…」
「ヒ…ヒスイ…一体何を言って…」
ヒスイの言葉に、トーマも驚いた様子を見せる。だが、ヒスイはそんな言葉に反応せず、じっとアレンを眺めていた。
「信じております…。必ず…戻ってきて頂けると…」
ヒスイの言葉を聞き終えた瞬間、アレンは目にも止まらぬ速さで玉座の間を後にした。暫くその様子に呆気に取られていたアルカディオスであったが、ヒスイに詰め寄るようにして言葉をかける。
「ひ、姫様ッ!よろしいのですか!!」
「…よろしいもなにも…私たちが何を言っても…アレンさんは止まりません…」
「で、ですが…」
アルカディオスの問いに、ヒスイは落ち着いた様子で言葉を漏らす。それに対し、ダートンが続けざまに異議を放とうとするが、それはヒスイの、強い意志を感じる言葉に遮られることとなった。
「それに…。殿方の帰りを信じて待つのも…姫の役目…ッ!」
ヒスイは、語尾に些少の感情を込めてそれを言い放つ。ヒスイは、震える手でスカートの両端をきゅっと掴んでいた。
それをみて、アルカディオスたちは理解する。…この場にいる誰よりも、ヒスイが一番、アレンの身を案じていることを…。…アクノロギアの元へと向かったアレンを、止めたかったことを…。

ナツは、自身の右腕が黒く焼け焦げている痛みに耐えながら、大きく息を荒げていた。その前方には、ピクリとも身体を動かさないゼレフの姿が見て取れた。ゼレフは
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