暁 〜小説投稿サイト〜
フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第10章 アルバレス帝国編
第50話 奇しき赫耀
[10/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
を漏らす。カリンは、そんな魔導士を気にすることなく、とある人物に声を掛けた。
「…久しぶり…ヒノエ、ミノト…」
「カ…カリンさん…どうしてあなたが…」
「あなたは…死んだはず…」
声を掛けられたヒノエとミノトは、嗚咽を漏らすかのように口を開いた。カリンはふっと笑いかけると、めんどくさそうに口を開いた。
「詳しく話すと長くなる…だから簡単に言うわ」
カリンはそう言って、ミネルバへと視線を移す。ミネルバは急に視線を向けられたことで、目を見開き、緊張した面持ちを見せる。
「あの子が持っていた護符…あれは私がアレンにあげたもの…そしてアレンが私を看取った時、アレンが身に着けていた物よ…死ぬ瞬間私の魂の一部があの護符に乗り移った…そして15年以上の時間をかけて少しずつ力を溜め、今こうして姿を現した…ってところよ…」
カリンが簡単に説明したことで、ヒノエとミノト含め、皆の顔に驚愕の表情が浮かぶ。
「ということは…つまり…」
「そう、私はただの幽体…そして、もう溜めていた力も使い果たした…」
ヒノエの質問に、カリンは小さく呟く。と同時にカリンの身体がゆっくりと透けはじめる。
「ッ!カリンさん!」
消えゆくカリンを引き留めようと、ミノトが大きく声を張り上げる。だが、それに反してカリンの身体が更に薄まり、足元から光の粒子となって掻き消える。
「…私が守ってあげられるのは、この一回限り…用心して…あれは、『奇しき赫耀のバルファルク』…アレンや私でも、勝てるかどうかわからない存在…」
カレンの下半身が完全に消失する。
「先の魔法も、バルファルクを倒せるには至らない…でも傷は負わせた…後はあなたたちに託す…」
カリンの身体はほぼすべてが掻き消え、それは顔にも差し掛かる。
「…それと、アレンのことも…たの…む…わよ…」
それを最後に、カリンの姿は完全に消滅するに至った。暫くそれを…カリンの言葉と消失を見届けていた魔導士たちであったが、ヒノエは膝から崩れ落ちたことで、皆は平常心を取り戻す。
「くっ…カリンさんは…アレンさんに会いたかったはず…なのに、最後の機会を…私たちを守るために…ッ!」
「…姉さま…」
ヒノエの言葉に、ミノトは掛ける言葉がないと言った様子で口を紡ぐ。他の者も皆、ヒノエの言葉を皮切りに、苦悶の表情を浮かべて震える。中には、涙を流している者も見て取れた。
そんな絶望に似た雰囲気を更に絶望に染め上げる出来事が起こる。バルファルクが、ゆっくりと先の攻撃が衝撃した元から姿を現した。
「実に残念だ…あの女が生きていれば…アレンと同等の戦いが楽しめたというものを…」
バルファルクの発言をもとに、一人の男がゆっくりと歩みを進める。その男の目には、決意に似た何かが秘められていた。
「ラ…ラクサス…」
その男の名を、カグラは小さく呟
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ