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相良絵梨の聖杯戦争報告書
横田基地現場検証
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 横田基地というのは米軍が使用しており、入るためには身分証が必要になる。
 今回は若宮友里恵分析官の用意した日本政府が用意した身分証で横田基地に入る。
 なお、横田基地は自衛隊も使っていて消火に協力していたらしいのだが、私を案内している隊員が銃を持っていたので何があったか察せざるを得ない。

「答えられないなら結構ですが、自衛隊の方で被害は出ましたか?」

「こちら側は被害がありませんでしたが、米軍の方はこちらが把握しているだけで六人死亡。二十人程度が負傷しています。
 かなり大規模な銃撃戦が発生しました」

「うわぁ……」

 神秘の秘蔵はどこへ行ったである。
 基地に飛行機が墜落して爆発。
 その際に弾薬が誘爆したあたりのカバーストーリーを用意しつつ米軍側の方へ。
 米軍兵士が露骨に警戒しているのが分かる。

「日本政府より派遣されてきました。相良絵梨と申します。
 アンジェラ・サリバン三等書記官がこちらに居ると聞いてきたのですが?」

 無線でのやり取りの後、基地司令棟に通される。
 既に中は修羅場になっていた。

「あの化け物を絶対に探し出せ!
 監視カメラ、サーモグラフィー、収音機、全てのモニターをチェックしろ!」

「全員に非常招集!
 テロリストが基地内に侵入した想定で……」

「基地被害のレポートはペンタゴンに回せ!
 日本国内の全米軍基地は最大級の警戒態勢に!!」

 英語の怒鳴りあいにちょくちょくスラングが混じっているあたり、今回の『事故』の被害のでかさを物語っているのだろう。


「ああ。ミス神奈。
 よくいらっしゃってくださいました」

 何とか笑顔を作るアンジェラだが、やらかした大失態に頭が痛い所だろう。
 CIAの絡んだミッションで米軍が損害を受けたのだからペンタゴンはカンカンだろう。
 まあ、こちらも何やっているの一言を言いたい所なのだがそこは我慢がまん。

「で、何が起こったんです?」

「我々が用意したカーシュラという魔術師が召喚に失敗したのです」

 万一を避けて彼女はカメラ越しに召喚を見ていたから助かったらしい。
 その画像には何か得体のしれない化け物が映っていた。

「償還後、その化け物はカーシュラの首と手首を刎ね、令呪とともに基地内で暴れて消えた所です」

「……狼に乗った首無しの化け物?
 彼、元々は何を召喚しようとしたんです?」

「スリーピー・ホロウ。
 ご存じですか?」

 ああ。米国の「首なし騎士」伝説の主人公か。
 まぁ、米国の伝承の方が米国人なのだろうカーシュラにとっては扱いやすかったのだろうが、召喚失敗してこのざまでは意味がない。

「第四次聖杯戦争で起こったのですが、こういう時の際の
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