第10章 アルバレス帝国編
第49話 緋色の絶望
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バルファルクの力に、メイビスは瞳孔を震わせながら思考を張り巡らせる。そんなメイビスの思考を読み取ったように、ゼレフは口を開いた。
「ああ、バルファルクは力を隠していたのさ…アクノロギアと同等と考えていい。君たちのアクノロギアには劣るという考えは大間違いだよ」
「っく…だけど、妖精の心臓はもはや私と一体化している!いくらあなたでも、私と分離することは…。ぐっ!!」
メイビスが叫ぶようにして言った言葉は、ゼレフがメイビスの首元を掴むことで、紡ぎを迎えることはなかった。
「残念…実はね…君と妖精の心臓を分離することはできるんだよ…この力は素晴らしい…」
「な、なにを…っ!こ、これは、まさか…」
メイビスは、ゼレフの手から漏れ出る魔力を首元で感じながら恐怖の表情を浮かべる。
「へえ、知っているんだね…これは八卦解印…あらゆるものの接続を分断することのできる魔法だ…そう、君の、君たちのよく知る男が編み出した技…恐らく、竜や異形に侵された人間を救うためにと開発した魔法なんだろうね…」
メイビスは苦悶の表情を浮かべながら口を開く。
「ア…アレンさんの…ッ!!」
「そう…彼が編み出し、僕に教えてくれた魔法…本当にすごい男だよ…彼は…。彼はこれを編み出してすぐに自らのものにしていたけど…僕は10年もかかってしまった…」
ゼレフは更にメイビスの首元を掴む手に魔力を込める。それと同時に、メイビスの意識が少しずつ削がれていく。
「君は、妖精の心臓は…アレンの生み出した魔法によって僕の手に渡る…ということだ」
ゼレフはニヤッと不敵な笑みを浮かべて、そう言い放った。
ユニバースワンによって首都クロッカスに飛ばされたエルザ、ウェンディ、ジェラールは、困惑した様子を見せていた。
「なんだったんだ…あの光は…」
「それにここは…クロッカス…」
「アレンとバルファルクの戦いは終わったのか?」
エルザ、ウェンディ、ジェラールは口々に言葉を漏らしながら辺りを見回す。そんな中、強大な魔力を感じ取ったエルザは、大きく目を見開く。
「全員、伏せろ!!」
「「ッ!?」」
エルザの声を聴き、2人も目を見開く。その瞬間、前方に強大な火の玉のような爆発が起こる。砂ぼこりが晴れると、そこにはゆっくりとこちらに向かって歩いてくる人影が見える。
ハイヒールの靴底が、地面とあたり、コツコツという足音が響く。その音と様相に、エルザはキリっと睨むようにして目線を移す。
「暫くぶりだね…エルザ…」
その女は、微笑を浮かべながらエルザへと声を掛ける。
「知り合いか?」
「知らん…何者だ!」
ジェラールの問いに、エルザは目線を移すことなく答える。ウェンディは、そんなエルザの言葉を聞きながら、容姿と魔力を感じ取り、ある疑問を持つ。
「(この人…なんとなくエルザさん
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