第10章 アルバレス帝国編
第49話 緋色の絶望
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心臓ってわけか…」
ゼレフはギルドの一つの椅子に腰かけていた。そして、そんなゼレフの隣に控える男は、興味津々と言った様子でメイビスを見つめる。
「バ…バルファルクッ!!」
その男は、首都クロッカスにおいてアレンとの戦闘を行っているはずのバルファルクであった。
「メイビス…」
「ギ、ギルドの皆は…アレンさんは!!」
メイビスは酷く狼狽した様子で言葉を放った。
「いや、僕じゃないよ…アイリーンだ…」
「アイリーン…なぜあなたがここに…」
「…なぜ君は生きているんだい?」
メイビスの質問に、ゼレフは質問で返す。しかし、その質問にメイビスは答えようとしない。そこで、ゼレフは諦めたようにメイビスの質問に答えることにした。
なぜ自分がここにいるのか、そして、アイリーンの魔法について、更にはその目的について。
「つまり、僕とバルファルクをフェアリーテイルのギルドに転送し、アレンとアクノロギアを彼方の遠くへと追いやった…距離にして10000qってところかな?いくらあの2人がバルファルクに肉薄する程の…音速と同程度の速さを誇っていてもここまで戻ってくるのに8時間程はかかる…その間に決着をつけようって話さ…」
ゼレフの説明と言葉に、メイビスはこれ以上にないほどの困惑を見せる。
「わかるかな?…もうすでに、妖精の心臓は僕の手にあり、そして、君たちは負けたということだよ…」
「くっ…まだ、まだです!アレンさんが来るまで持ちこたえれば…ッ!」
メイビスは絶望的な状況下で、アレンの姿を思い浮かべる。もはや、アレンの力に頼るしか手段はないのだ。
「確かに、アイリーンのユニバースワンによって皆バラバラに飛ばされてと言ったが…どやら僕とバルファルク、アレンとアクノロギアを指定した座標に飛ばしたことの反作用で…それ以外の者は殆どこのマグノリアに集結してしまったみたいだね…」
ゼレフの言葉に、メイビスはマグノリアへと魔力の索敵を開始する。ゼレフの言葉通りに、フェアリーテイル、更には多くの魔導士たちがこのマグノリアの街の至る所にいることが分かった。
「…だが、それすらも君たちにとっては絶望だ…バルファルク…」
「ちっ…アレンとの戦いを邪魔したんだ…これが終わったら、アイリーンの奴は俺がぶっ殺すぜ…」
バルファルクは怠そうに椅子から立ち上がる。
「ああ、構わないよ…」
バルファルクはその言葉を聞き、ニヤッと笑みを浮かべるとゆっくりと歩み始める。
「ま、まって!!…ガッ!!」
メイビスは、ゼレフとバルファルクの会話から、マグノリアに集結している魔導士たちに攻撃をしようとするバルファルクを止めようとするが、目にも止まらぬ赤き龍気に一撃で倒れこむ。
「我を邪魔建てするか…人間風情が…ッ!」
「(な、なんて力…こいつ…スピードならアクノロギア以上…いや…
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