邪神降臨
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ムーンキャンサーの巨体であっても、無視できない大きさの拳。それは、何度もムーンキャンサーとぶつかり合い、やがて触手によって薙ぎ払われた。
「友奈ちゃん!」
飛ばされていく勇者を、刀使が受け止める。
二人を一網打尽にしようとムーンキャンサーは触手を放つが、その前に刀使が再びその剣を赤く染め上げる。
「太阿之剣!」
赤い光が、オーラとなってその剣の刀身を伸ばしていく。それは、ムーンキャンサーの大きさにも匹敵するほどのものとなり、ムーンキャンサーの触手を切り裂いていく。
即座に触手は再生され、ムーンキャンサーはさらに刀使へ攻撃を加えていく。
体勢を立て直していない刀使は、そのまま触手の打撃を受け、弾かれる。
「可奈美ちゃん! やるしかない……ッ!」
右腕を突き上げる奏者。
彼女を包む唄が右腕に集い、その形を変貌させていく。
拳を、より鋭く、より長い槍へ。
「我流・超級撃槍烈破ッ!」
まさにランサー。彼女のクラスの名前に違わぬ勢いで、それはムーンキャンサーが防御として繰り出した触手の壁を貫く。
ムーンキャンサーは痛みから声を上げるが、致命的とは程遠い。
一度天に翻り、再び奏者へ牙を向ける。黄色の超音波メスを集中的に放ったが、またしても勇者がその巨大な腕で防御する。
超音波メスが一切通じない勇者。それを確認したムーンキャンサーは、優先的に倒す対象を勇者に切り替えた。
「友奈ちゃん! 危ない!」
勇者を守ろうとする刀使。振り抜くその刀に、虹色の光が集っていく。
「無双神名斬!」
彼女の剣より放たれる、虹色の斬撃。
無数の斬撃を内包するそれ。一目見た途端、ムーンキャンサーはその脅威を認識し、上空へ回避。
刀使の頭上を横切り、一気に勇者に肉薄する。
「っ!」
勇者は歯を食いしばりながらも、拳でムーンキャンサーと応戦してくる。
大きな質量同士がぶつかり合い、夜空に打撃音が響き渡る。 だんだんとムーンキャンサーが優勢になっていく。
「「友奈ちゃん!」」
勇者の救援に駆け付ける刀使と奏者。
彼女たちの気配を察したムーンキャンサーは、触手で勇者を掴まえる。そのまま二人に勇者を投げつけると、その巨大な腕に刀使と奏者がぶつかり、その動きが止まる。
その隙に、ムーンキャンサーは触手の先端を開いた。
生成されていく火球。それは、太陽の表面温度さえも突破し、プラズマとなる。
放たれる、二つのプラズマ火球。
刀使が再び虹色の斬撃を放ち、火球の威力を減らすが、それでも彼女たちを焼き尽くすことができる威力であることに変わりはない。
三人の表情が火球に照らされて絶望が露わになった途端。
夜の空を、より暗い闇の柱が立ちは
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