第10章 アルバレス帝国編
第48話 変異個体
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割する魔力の量を調節できるようになった。つまり、本来1体の影分身を発動させた場合、半分ずつに分けられる魔力を、本体9割、分身1割などに任意で調整できるようになったということだ。
先の割合で、ヒスイを1割の魔力を分けた影分身体に預け、玉座の間におろす。中々アレンから離れないヒスイを、半ば強制的に引きはがすようにして、アレンは一つの魔法を展開すした。それは縛道の94番である、『円弧絶界』という強大な丸い防壁であった。首都クロッカスを綺麗に包むようにして強大な球体が現れる。もちろん、その球体の結界内にバルファルクは存在しない。
バルファルクは突然現れた圧倒的なまでの結界に驚いた様子を見せていたが、目の前にいる本体であるアレンが一本の太刀と防具一式を換装したことで平常を取り戻すに至る。
そこから両者とも激しい戦闘を繰り広げることになるが、すでに戦闘開始から相当な時間が経っているということもあり、アレンもバルファルクも共に疲れが見え始めている。しかし、肉体的な疲れより、アレンには精神的な疲れが見て取れた
「まさか…1年半前の戦いが、全力ではなかったとはな…」
「ふっ!全力だと思っていたのか?…お前が元の世界で戦った同種と一緒にするな…」
アレンの悪態をつく様な言葉に、バルファルクはニヤッと笑って見せる。
「ああ、そういえば…ゼレフから知恵と力を貰ったんだっけか?確かにそれなら…」
「愚かなッ!!!」
アレンが思い出したかのように呟いたその言葉に、バルファルクは激高して声を荒げる。続けざまに咆哮を放ったこともあり、アレンは大きく目を見開く。一頻り方向を終えたバルファルクは、ゆっくりとアレンへと向き直る。
「我は奇しき赫耀のバルファルク…変異個体だ…。通常個体のバルファルクと一緒にされては困るな…」
「…なるほど…異様な深紅色をしているのはそのためか…」
「…はっきり言おう…単純な戦闘能力なら、我はアクノロギアと同等だ…」
バルファルクの発言に、アレンは小さく目を細める。
「つまり、アクノロギアとの差は…魔法が効かないという点だけということか…」
「そうだな…貴様ら人間からすれば、魔法が効かぬアクノロギアの方が脅威と言える…だが、それでも貴様ら人間にとって大差はない!!」
バルファルクはそう言い放つと、赤き龍気を纏った槍翼をアレンへと突き刺すように振りかぶる。それを見たアレンは、太刀を構え、迎え撃つ。
衝撃。
且つて、ドラゴンレイドによって齎された両者の衝突よりも激しい閃光と轟音がクロッカスの空を駆け巡る。これは推測ではあるが、もしアレンが結界を張っていなければ、首都クロッカスの街並みは完膚なきまでに吹き飛ばされ、破壊されていただろう。それほどの衝撃であった。
分身体であるアレンは、そんな様子を
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