第10章 アルバレス帝国編
第48話 変異個体
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てえもんだな…」
コウタはその名を聞き、どこか嬉しそうに答える。だが、そんな雰囲気もナインハルトの声によって遮られる。
「積もる話もあるみたいだけど…今の君は僕のものだ…こいつらを始末してもらうよ…」
ナインハルトは、不敵な笑みを浮かべてコウタに声を掛ける。
「ああ…まあ、残念ながらそうするしかねえみてえだな…」
コウタはそう言うと、一本の太刀を出現させ、手にする。その太刀を見て、エルザ達は驚いたように警戒する。アレンが換装せしめる武具と、同じ力を畏怖を覚えたからだ。本物だ…。3人は改めてそう思う。
「さて、アレンすらも凌ぐ君の力…とくと…ガッ!!」
ナインハルトは、高みの見物とばかりに艦隊の帆を支える木の上に座り込んでいたが、先ほどコウタが持っていた太刀が自身の腹に刺さったことで呻き声を上げる。
コウタが目にも止まらぬ速さで、ナインハルトに向けて太刀を投げたのだ。その様子を見て、エルザ達も驚愕の表情を浮かべる。
「…まあ、始末するのはお前だがな…」
「な、なぜ…術者である僕に攻撃できるはずが…」
ナインハルトは、痛みで体勢を崩し、コウタ太刀のいる甲板へと落下する。
「…まさかとは思うが、お前如きヒヨッコが本気で支配できると思っていたのか?」
「くっ…なぜだ…僕の魔法で生み出した存在であるのにもかかわらず…」
コウタの発言に、ナインハルトはこれまでにないほどの動揺を見せる。
「支配…されていないのか…」
「さすがは、アレンの友だな…」
「なんという…」
エルザ、カグラ、ジェラールも心底驚いている様子であった。コウタはそんな驚きに目も向けず、ゆっくりとナインハルトの元へと歩み始める。
「お前らに一ついいことを教えてやる…。俺たちハンターには、ランクというモノがある。下から下位、上位、そしてG級…またの名をマスターランクともいうが、俺やアレンはその最高位であるG級ハンターだ…」
ナインハルトは、痛みに耐えながらコウタの話を静かに聞き及んでいるい。先ほどから魔法を解除しようとしているが、完全に制御下から外れたのか、コウタの姿が消えることはない。
エルザ達も耳を澄ませるようにしてコウタの話を聞いている。ハンターというモノにランクがあったことは初耳であったが、アレンの力を近くで見てきたエルザ達にとって、アレンが最高位のハンターであるということに驚きはなかった。
「そして、そのランクにはそれぞれ序列が設けられている。単純な強さもそうだが、狩ってきた竜やモンスターの数、そして功績によってそれらは決められるんだが…アレンは当時、18歳という若さでG級ハンター序列3位の力を誇っていた…」
コウタの言葉に、ナインハルトだけでなく、エルザ達も驚愕の表情を見せる。
「バ、バカな…あのアレンが…3番…」
「それってつまり…」
「アレ
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