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ウルトラマンカイナ
銀華編 ウルトラクルセイダーファイト 後編
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! 生きてますよぉおッ!』

 そして、アキレスの腕に抱かれていたBURKセイバーからは、今もなお生命反応が発せられていたのだ。そこから導き出された結論に、リーゼロッテは涙ながらの歓声を上げる。

「よっ……しゃあぁああッ!」
「ふぅっ……! な、なんとか間に合った……! シルバーシャーク砲は、どうなったんだ……!?」
「標的の消滅により、先ほど政府から発射の中止が命じられたらしいぜ……! 綾川司令官がギリギリまで粘ってくれたおかげだよ……!」

 その報告から伝わる喜びが伝播するように、地上の基地でも歓喜の声が広がっていた。標的を失ったことでシルバーシャーク砲の使用も中止が決定され、通信室に居る隊員達は安堵の息を漏らしている。発射準備を終えていた砲台もすでに、士道達によって制圧されているらしい。

「……そうか、分かった。皆に良くやってくれたと、君からも伝えてくれ」

 独り作戦司令室に篭り、政府との電話交渉を続けていた綾川司令官も。シルバーブルーメの沈黙と琴乃の生還という現場からの報告に安堵し、背凭れに身を預けている。

「聞いての通りです、(あかつき)総理。……御子息のお力添えが無ければ、この大難は乗り越えられなかったことでしょう。ご協力に、感謝致します」

 彼と通話していた当時の首相――暁天真(あかつきてんま)総理大臣も電話の向こう側で、1人の息子を想う父親として同様の反応を示していた。ウルトラマンという過酷な宿命を背負った我が子を想うが故の、非情な決断は実行されることなく終わったのだ。
 その元凶たる銀の華は、宇宙の果てにその命を散らしたのだから。

「……ありがとうよ嵐真、リーゼロッテ、皆っ……!」

 そして砲撃命令が白紙となり、士道達の叛逆も不問となった頃。
 通信室を去り、黄昏の空を独り仰いでいた弘原海は――その頬に熱い滴を伝わせ、拳を振るわせるのだった。

 ◇

 ――やがて、この戦いから約5年後。シルバーブルーメの体内からも生き延びてみせた駒門琴乃は、弘原海の除隊後に再編成された新生BURKを率いて行くことになるのだった。エリー、劉静、アリアの3人もこの後、それぞれの乗機――BURKクルセイダー、BURK烈龍(リィエロン)、BURKワーマーに己の命運を託し、テンペラー軍団との決戦に臨んで行くこととなる。
 その未来が、元調査隊メンバーの奮闘よって紡がれたものであるということは、この作戦に関わった全ての隊員が知っているのだ――。

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