第二章
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「金が必要だからな」
「先日もそう仰っていましたね」
「左様でしたね」
「それでまたですか」
「またその理由でお借りになられるのですか」
「ははは、何しろ私はもてるからな」
それでと言うのだった。
「交際している女性も多いのだよ」
「その方々にですか」
「贈りものをするからですか」
「またお金を借りたいのですか」
「そうですか」
「そうだ、貸してくれるか」
やはり余裕に満ちた態度で言うのだった。
「これより」
「あの、そうしましても」
「返して下さいますか?」
「もうとんでもない額の借金になっていますが」
「私共全て集めますと」
「必ず返す」
豪語して言うのだった。
「だから貸して欲しい、いいか」
「ううむ、そう言われますと」
「何故か私達も貸してしまします」
「カエサル様にそう言われますと」
「どうにも」
その自信と笑顔それに言葉にだった。
金貸しそれに借金取り達は仕方ないなという顔になった、そのうえでカエサルに金を貸した。それが繰り返されるうちに。
カエサルはローマで身を立てていき政治家としても軍人としても名声を得て美女だけでなく多くの民衆や兵それに女性達から支持を受ける様になっていた。その頃には謝金はさらに増えていったが彼は金貸しや借金取りに話した。
「これだけの額の借金を返せるのは私だけか」
「あの、お借りしたのはカエサル様だけなので」
「返せるも何もありません」
「私達もついついお貸ししてしまいますが」
「それでもです」
「流石に額が大きくなり過ぎまして」
「もうです」
それこそと言うのだった。
「私共もこれが仕事なので」
「是非返して欲しいのです」
「ですから返して下さい」
「何とか」
「ははは、安心するのだ」
カエサルは金貸しに借金取りの一同をだった。
宴に呼んだ、そうして馳走や美酒を振る舞い自らも楽しみつつ話した。
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