第三章
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二つ目に入れるとまた少女が出て来て水を欲しいと言ったのでだ。
あげるとだ、これまた消えたのだった。だが三つ目でだった。
妖精は消えなかった、ここで王子は首を傾げさせた。
「どういうことか、これは」
「はい、実はです」
少女から言ってきた。
「先の二つは私は妖精でして」
「それでなのか」
「はい」
「消えたと思っていたが」
「実は次のシトロンにです」
「移っていたか」
「そうでした。申し訳ないですが貴方のお心を見たくて」
それでというのだ。
「試す様にです」
「二度姿を消したか」
「ですが貴方はです」
「三つのシトロンを全て切ってか」
「下さったので」
だからだというのだ。
「途中で諦めずに」
「今こうして語ってくれるか」
「そうなのです」
「わかった、どうやら私は今妻を得た様だ」
チェンツッロは微笑んで言った。
「これから国に戻る、そしてな」
「お国で、ですか」
「式を挙げよう」
「それでは」
「では戻るぞ」
王子は供の者達にも話した。
「国にな」
「わかりました」
「それではです」
「その様にしましょう」
供の者達も応えてだった。
妖精と共に国へ戻っていった、その中で。
フォウレンという悪い魔女、険しい目で鳥に無理矢理歯を付けた様な黒い肌の顔をした女が一部始終を見ていた、悪い魔女は使い魔の黒猫に言った。
「私はあの妖精に成り代わってだよ」
「まさかと思いますが」
「王子のお妃になってね」
そうしてというのだ。
「贅沢三昧好き勝手な暮らしを楽しむよ」
「あの、ばれますよ」
黒猫はフォウレンに怪訝な顔で忠告した。
「ですから」
「するなっていうのかい」
「そうですよ、地道に努力してです」
そうしてというのだ。
「薬とかを売って」
「暮らせっていうんだね」
「そうですよ、悪事はばれますからね」
「悪事をしてもいい暮らしをしたいと思わないのかい」
「思わないですよ、止めた方がいいですよ」
「言うものだね、そんなこと言うならお前はもう私の使い魔じゃないよ」
「使い魔私だけでもですか」
「いらないよ、さっさとお行き」
「そこまで言われるなら」
黒猫は去った、そしてフォウレはというと。
王子達の後をつけていってその間じっと妖精を見て話を聞いて彼女のことを完全に理解してだった。
皆が寝静まった時にだった。
妖精のところに忍び寄って彼女に魔法をかけて鳩に変えて追い払い。
自分が妖精に化けた、だが魔女は変身の魔法が下手で。
「どうして肌が黒くなったんだ」
「あっ、これはです」
魔女は起きて自分を見て驚くチェンツッロに戸惑いつつ答えた、肌の色だけはどうしても黒いままだったのだ。
「どうも昨日悪い魔女に魔法を
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