第二章
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「そもそも」
「そのことかい?」
「そうだ、何故だ」
「それはわしが魔女だからだよ」
老婆はチェンツッロに笑って答えた。
「だから人相見やどうすればいいかも見えるんだよ」
「そうなのか」
「魔法でね、あんたは幸せになるよ」
「そうか、ではな」
「その様にするね」
「そうしよう、貴女はいい魔女の様だな」
「おや、欧州から来たのに魔女をそう言うんだね」
老婆はこのことに少し驚いて言った。
「あんたは」
「どんな立場でも善人と悪人がいる」
「そうだっていうんだね」
「旅でわかった」
それをする中でというのだ。
「様々なものを見てな」
「多くのことを学んでだね」
「そのこともわかった、魔女もだ」
「いい魔女と悪い魔女がいる」
「そのこともわかったからな」
だからだというのだ。
「そう言ったのだ」
「そうなんだね」
「そうだ、それでお礼をしたいのだが」
王子は自ら申し出た。
「いいだろうか」
「ああ、気持ちを受け取らせてもらうよ」
老婆は笑って応えてだった。
王子から金貨を数枚受け取った、そしてだった。
チェンツッロは老婆に礼を言うと供の者達を連れて港に戻った。
そっから船に乗って半島に戻ったが。
ジェノヴァから故郷に向かう中で最初に出会った泉のほとりで足を止めて供の者達に対して話した。
「ここがだ」
「はい、そのですね」
「最初の泉ですね」
「そうですね」
「ここだな、では切ろう」
老婆の言った通りにと言ってだった。
ソウシテダ、シロロンの実を一つ出してナイフで切った、すると。
そこから白い肌で肌を赤く染めた赤い髪の毛と白い肌と服を持つ顎の先が尖った黒目がちの目の少女が出て来てだった。
そのうえでだ、チェンツッロに言ってきた。
「何か飲みものを下さいませんか」
「何と、これは」
チェンツッロは少女の言葉を聞いて言った。
「まさにだ」
「あの老婆の言った通りですね」
「そうですね」
「まさにです」
「言ったままですね」
「そうだな」
供の者達に応えて言った。
「これは」
「ではですね」
「これよりですね」
「あの魔女の言った通りにしますね」
「そうしますね」
「そうする」
こう言ってだった。
実際に少女に水をあげた、すると。
「有り難うございます」
「そう言ってくれるか」
「ではこれで」
深々と頭を下げてだった。
姿を消した、それでだった。
王子は供の者達にだ、こう言った。
「気になる、では二つ目のだ」
「シトロンにですね」
「それにですね」
「ナイフを入れますね」
「そうしよう」
こう言ってだった。
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