暁 〜小説投稿サイト〜
優勝と言うと
第三章

[8]前話 [2]次話
「やったね」
「フラグか?」
 クラスメイトは頭の上にクエシチョンを出して言った。
「これって」
「阪神が優勝を逃すだね」
「ああ、確かに阪神は凄い人気があってな」
 そうしたチームでというのだ。
「ファンが多いよ」
「マスコミにだってファンの人多いね」
「そうだよな」
「もうデイリーなんかね」 
 寿は愛読しているこのスポーツ新聞の話した。
「それこそだよ」
「ファンの人達が作ってるな」
「そうした新聞だよ」
 まさにというのだ。
「あそこはね」
「だからそうした本や番組が出るな」
「その通りだね」
「巷にもファンが多くて」
「おまけに熱狂的な人まで多いね」
「お前みたいにな」
「だからそうした本や番組も出来るんだよ」 
 寿はクラスメイトにその通りだと答えた。
「作る人達も嬉しいし読んで観る人達もね」
「嬉しいからか」
「そうした本や番組が出るのも阪神だからだよ」
 このチーム故にというのだ。
「現に他のチームじゃないからね」
「そうだよな」
「いいことだよ」
 寿は心から述べた。
「皆阪神が大好きだってことだから」
「ああ、けれどそれがな」
「フラグだね」
「それになってないか?」
 こう寿に言うのだった。
「どうもな」
「気のせいだよ」 
 寿はそれは否定した。
「多分ね」
「多分かよ」
「確かにそうした時もあったけれど」
「たまたまか」
「そう、たまたまだよ」
 こうクラスメイトに話した。
「それはね」
「そうだといいけれどな」
「甲子園にはマモノがいて」
 都市伝説の話もした。
「道頓堀のケンタッキーのおじさんもだよ」
「祟ってるっていうな」
「そう言われてるけれど」 
 それでもというのだ。
「たまたまだよ」
「そうか」
「阪神には沢山のファンと英霊の人達の想いがあるんだ」
 寿は言い切った。
「マモノやケンタッキーのおじさんなんてね」
「いないか?」
「いないよ、優勝出来なかったのはそれも野球だよ」
 こう言うのだった。
「いつも後半失速するのは改善点だけれどね」
「そこは論理的だな」
「やっぱり優勝するにも根拠があるからね」
 事実寿は論理的に述べた。
「そこを何とかすることはね」
「大事か」
「やっぱりね、けれどね」
「それでもか」
「優勝出来ないのは残念だよ」
 この気持ちは隠さなかった。
「優勝したいのに」
「それで皆調子がいいとか」
「優勝って言うんだよ、フラグかって言うと」
 ここでだ、寿は。
 これまでの論理的なカラーを見る見るうちに弱めてだ、オカルトチックな方に傾いていってそのうえで述べた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ