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TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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振った。
「いいや、違います。これは多分――」
 また別の巨人、と言いかけてダイゴは言葉を飲み込んだ。カプセルに描かれた超人の姿は確かにティガに似ていたものだった。三つのカプセルがあるのもそれぞれがティガの形態に酷似している。赤と紫のストライプはおそらくマルチタイプに近いものなのだろう。それから赤い姿はパワータイプ、紫の形態はスカイタイプといったところだろうか。しかし、これはティガとは違う存在だとダイゴは直感した。
「おそらくはこれらを銃に装填して使うんやろ。確かにガッツハイパーみたいなもんや」
 ホリイは一旦言葉を切ると手に取った銃の銃身に手をかけた。銃身はかちゃりと開いて、小さな扇のような形になった。
「これがどういうための機能なのかがいまいちわからん、いや、もしかすると、と思うこともないわけやない。でも、あまりに突飛すぎて確証がない限りは口にも出せん」
 そう話すホリイの言葉がダイゴには途中から届かなくなっていた。ホリイが変形させた銃にダイゴの目は釘付けになった。それからすぐに仲間たちに自分の挙動に気付かれてはいけないと思い、顔をうつむかせる。青年の持っていた銃の変形した形はまさしくスパークレンスだ。それを目にした時、ダイゴはホリイの言わんとしていることを察した。つまりこの銃はダイゴの持つスパークレンスと同じ役割を果たすデバイスなのかもしれない。だとするとあの青年は――。
 ダイゴは青年を初めて見た時のことを思い出した。年はダイゴと同じかそれよりも少し若く見えたのだが、その時にまず感じていたのは、青年の持つ何かしらの『気配』だった。それは最初自分にも通ずるものに感じられたのだが、しばらく様子を見るうちに少し違って見えた。青年の持つ気配は今もダイゴの隊員服の懐にしまわれたスパークレンスが放つ光そのものに似ていたのだ。
「隊長」
 ダイゴはイルマに向き直った。
「あの青年のこと、僕に任せていただけないでしょうか。彼自身もきっともといた場所に戻れなくて辛いはずです。彼の助けになってやりたいんです」
 ダイゴがそう言うと、イルマはそれまで鋭さをたたえていた思考の表情から顔をいくらかほころばせた。
「いいでしょう。ダイゴ隊員。あの青年の保護をあなたに任せます」
「ありがとうございます」
 そう言って司令室をあとにしようとしたところで、ダイゴは一度立ち止まってホリイに声をかけた。
「この持ち物、お借りしてもいいですか」
 ダイゴがそう言うと、ホリイは慌てた様子だった。
「いや、まだ色々調べたいことがあるし――」
「いいじゃないのよ。あの青年が元の世界に戻るのに必要かもしれないでしょ」
 レナが横からそう言うと、ホリイは不本意そうな顔で「しゃあない、データはもう取ってあるし」と言ってうなずいた。
「ホリイさん、ありがとうござい
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