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TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
TALES OF ULTRAMAN  ティガ&トリガー ウルトラの星202X
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のかもしれません」
 「それって――」
 レナが口を開きかけたところでホリイはすぐさまそのあとを継いだ。
「マルチバース。パラレルワールドと言った方がわかりいいかもしれん。ダイゴ、レナ、あの青年がなんか言うのをきいとらんか」
 ホリイに言われてダイゴは先ほど、午後の通りでの記憶をたぐってみた。しかし、ダイゴが何か言う前にレナが口を開いた。
「青年とあいつ――チャリジャとかいう奴が『ティガの世界』とか口走っていたような」
 ダイゴはレナから出た『ティガ』という言葉に身を固くした。隊員たちの口から『ティガ』という言葉が出る度に一種の緊張が体に走る。自分の性格から何か余計な一言を言ってボロをださないかが心配だったのだ。本来、秘密を抱えての暮らしは彼の性には合わないのだ、とその度に痛感する。
 レナの言葉にホリイは考えを巡らせている様子で、通信デスクの傍を小さく歩き回った。
「『ティガの世界』か」
 ホリイは腕を組みながら呟いた。
「まるで、他のウルトラマンがいる世界から来たような言い草やな」
元より古代にはティガより他にたくさんの巨人が存在していたのだということはティガの地での複数隊の巨人像、それからサイテック・コーポレーションのCEOマサキ・ケイゴが引き起こした事件により隊員たちの知るところとなっていた。ホリイの仮説は本当であれば、青年の元居た場所で別の光の巨人が復活していても不思議なことではない。
「でも、そんなのありえるか?まったく別の世界でしかもティガの他にウルトラマンがいる世界なんて」
 シンジョウがそう言うと、ホリイは「それがそうありえないと片付けられるもんでもないんや」と言って、手に持っていたアタッシュケースを掲げて見せた。
「あの若い兄ちゃんの持っていたもんや」
 ホリイは青年の持ち物をアタッシュケースの中から慎重に取り出し、作戦デスクに並べて皆に見せた。
「なんだよ、これ」
 青年の持っていた銃を見たシンジョウ隊員は驚いて声をあげた。
「ガッツハイパーじゃないかよ」
「それにこれ、見てくださいよ」
 ヤズミははしゃぐよう青年の持ち物の角ばったカプセルのようなものを手に取った。
「怪獣の絵ですよ」
 確かにカプセルの側面には見るも不気味な怪獣の絵柄が入ったものがいくつかあった。
「異次元人の趣味にしてはひでえもんだな」
 シンジョウがそう言うと、ホリイは首を降った。
「ただの趣味じゃあらへん。解析したらこの中のエネルギーは怪獣の光線に限りなく近いものが入っとる。それに驚くのはまだ早いで」
 そう言うと、ホリイはケースの中からもったいぶるように最後に三つのカプセルを取り出して皆に見せた。
「これは――ティガ?」
 カプセルに描かれた絵を見ると、イルマ隊長は思わず呟いた。しかし、すぐにダイゴが首を
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